研究課題/領域番号 |
19K06040
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39030:園芸科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
伊東 明子 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹茶業研究部門, 室長 (30355383)
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研究分担者 |
喜多 正幸 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹茶業研究部門, 上級研究員 (10343972)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ニホンナシ / 休眠 / 発芽不良 / 生理活性物質 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の気候温暖化に伴い発生が増加しているニホンナシの春の発芽・開花不良について、発生メカニズムの解明と対策技術の開発を行う。具体的にはわれわれの仮説、すなわち秋の高温が花芽の休眠導入を遅らせ、その結果花芽が低温感受性の高い時期に成熟に必要な低温に遭遇できず、生育を停止して発芽不良となる、を検証する。また、休眠導入の促進処理による発芽不良軽減技術を開発する。
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研究成果の概要 |
本研究は、ニホンナシ発芽不良発生における概年リズムの有する役割の解明と、リズム同期による被害軽減策の検討を目的としている。休眠導入効果を有することが報告されているABAを休眠導入期に処理し、これにより概年リズムをリセットすることを構想した。発芽不良発生園(2園地)のナシ「幸水」樹に対しABA処理(2カ年)を行い、翌春の開花を確認するとともに、概日リズムの制御や休眠・開花に関する遺伝子の発現、樹体内炭水化物含量および窒素含量を解析した。その結果、ABA処理により花芽の耐凍性の向上と冬期の花芽生育(成熟)の促進効果が認められるとともに、発芽不良が改善されることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、①発芽不良は低温感受性時期が自発休眠覚醒と花芽成熟で異なること、②ABA処理により低温感受性時期のリセットまたは低温遭遇時間の補填効果が生じ、耐凍性の向上や花芽成熟の促進により発芽不良発生が軽減されること、を明らかにした。 主に野外で栽培される果樹においては、低温不足を低温処理で補うことはエネルギー効率の点からほとんど不可能である。しかしABA処理などの刺激によって限られた低温量であっても花芽成熟を適切に進行させることが可能となり、発芽不良を改善する可能性が示されたことから、今後、有用な対策技術となり得る。
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