研究課題/領域番号 |
19K06058
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
津下 誠治 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (10254319)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | イネ白葉枯病菌 / hrp遺伝子 / type III分泌装置 / 遺伝子発現 / cyclic-di-GMP / hrp遺伝子群 / 植物細菌病 / 病原性 / 遺伝子発現制御 / タイプⅢ分泌装置 |
研究開始時の研究の概要 |
イネの重要病原細菌である白葉枯病菌の病原性にはさまざまな遺伝子が関与している。その中でもhrp遺伝子群は、宿主イネの防御応答の抑制に関わる最も重要な病原性関連遺伝子のひとつである。本遺伝子群は培地での培養時には発現せず、植物体への感染時に特異的に発現することが知られている。本研究課題では、hrp遺伝子群の発現制御機構、とくに感染過程に応じた発現制御機構とそこに関わる因子を明らかにするとともに、本遺伝子群と他の病原性関連遺伝子群との協調的な発現を可能にする制御ネットワークの存在を明らかにする。
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研究成果の概要 |
イネ白葉枯病菌のもつtype Ⅲタンパク質分泌装置は、宿主防御応答を抑制するタンパク質を宿主細胞内へ導入する重要な病原力因子であり、感染時特異的に発現するhrp遺伝子群により構築される。本研究では、環境シグナルに応答して合成/分解される細菌のセカンドメッセンジャーcyclic-di-GMPによりその活性を制御される転写制御因子Clpがhrp遺伝子群の発現制御経路の少なくとも5か所において本遺伝子群の発現制御に関わることを明らかにした。このことは本遺伝子群の発現には、宿主植物体上で得られる複数のシグナルが必要であることを示している。また、これらの制御の1つに関わるシグナル受容因子を同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
白葉枯病菌を原因細菌とするイネ白葉枯病は、熱帯アジアを中心に甚大な被害をもたらしている。本病に卓効を示す防除資材は未だ開発されておらず、抵抗性品種の栽培がほぼ唯一の防除手段となっているが、抵抗性品種を侵す新たな細菌系統の出現も頻繁に見られ、これが有効な防除手段となっているとはいいがたい。hrp遺伝子群の感染時特異的な発現は、本細菌の最も重要な病原力機構であり、その発現阻害剤は本病に対する防除資材開発における格好のターゲットなり得る。本研究ではhrp遺伝子群の発現制御機構の全貌解明には至っていないものの、それにつながる、そしてそれをターゲットとする防除資材開発につながる重要な知見を提供している。
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