研究課題/領域番号 |
19K06065
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
姜 昌杰 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 主席研究員 (80370659)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | OsAAA-ATPase / サリチル酸 / イネ / いもち病 / 防御応答 / AAA-ATPase |
研究開始時の研究の概要 |
植物ホルモンの一種であるサリチル酸は様々な植物病害に対して抵抗性を誘導する重要な働きを持っている。サリチル酸による抵抗性誘導の仕組みを理解することは学術上のみならず、耐病性作物開発の観点からも重要である。 私たちはこれまで、サリチル酸により支配される遺伝子、イネOsAAA-ATPase1、を見出し、さらに当該遺伝子はいもち病抵抗性に寄与していることを示してきた。本研究では、OsAAA-ATPase1遺伝子はサリチル酸によるイネ病害抵抗性の活性化過程にどのように関わっているのかを明らかにし、耐病性分子育種利用につなげることを目指す。
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研究成果の概要 |
イネイモチ病菌感染に対してサリチル酸依存的に発現応答するOsAAA-ATPase1 遺伝子を見いだした。OsAAA-ATPase1はSAに特異的に発現応答し、OsNPR1 およびWRKY45の制御下にあること,そのタンパク質産物はATPase活性を有し、細胞質に局在していることが示された。この遺伝子をイネに過剰発現するとイモチ病および白葉枯病に対する抵抗性が顕著に向上し、発現抑制すると病抵抗性が低下した。トランスクリプトーム解析の結果から、OsAAA-ATPase1 はエチレンシグナル伝達経路を含む様々なシグナル伝達および代謝経路を活性化することにより病害抵抗性を誘導することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で初めてサリチル酸シグナル伝達経路におけるAAA-ATPase ファミリー遺伝子(OsAAA-ATPase1)の機能を明らかにされた。これらの成果は植物防御応答におけるサリチル酸シグナル伝達機構の全容を解明する上で重要な新知見をもたらすものである。また、新規に見出されたOsAAA-ATPase1遺伝子はイネ病害抵抗性を正に制御することが明らかになり、耐病性分子育種への活用が期待される。
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