研究課題/領域番号 |
19K06069
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39050:昆虫科学関連
|
研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
田上 陽介 静岡大学, 農学部, 准教授 (60426476)
|
研究分担者 |
杉本 貴史 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 契約研究員 (20726707)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 寄生蜂 / 性決定 / 共生細菌 / 産雌性単為生殖 / ハチ目 / 性決定遺伝子 / ボルバキア / リケッチア / 細胞内共生細菌 / 性決定(遺伝子) / 産雌制単為生殖化 / ライブイメージング / dsx / 産雌性単為生殖(PI) / Wolbachia / Trichogramma |
研究開始時の研究の概要 |
寄生蜂類では、その細胞内に共生している細菌である「ボルバキア」によって、未交尾メスが次世代でメスだけを産むようになる「産雌性単為生殖化」、が多くの種で報告されている。 これまではボルバキアによる二倍体化がメス化を誘導していると考えられてきたが、近年、メス化にはいくつかの因子が関わることが明らかとなってきたが。全容は不明である。 本研究課題では寄生蜂を用、細胞内小器官の初期発生における挙動を時系列に観察し、重要だと思われる発育ステージの遺伝子発現及び遺伝子編集を通じて、「産雌性単為生殖化」を誘導する機構の全容を解明する。
|
研究成果の概要 |
本研究課題では、天敵農薬として重要な寄生蜂において、効率的な生殖制御方法を確立するための基盤として、共生細菌による宿主生殖操作のメカニズム解明に取り組んだ。その結果、性決定に重要となる寄生蜂胚のライブイメージング法の観察技術の整備基盤を確立させた。また、次世代シーケンスを用いて様々なハチ目の性決定メカニズムに関わりがあるとされる4種の遺伝子が保存されており、機能維持していること、遺伝子刷り込み型の性決定であることを明らかにした。メチレーション解析の結果、共生細菌は宿主ゲノムのメチル化率を大きく上昇していることを明らかにした。加えてファージ領域をこれまで知られていないリケッチアから明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
半数近くの昆虫で細胞内に共生細菌に感染していることが知られている。これら共生細菌は様々な形で宿主昆虫の生殖を操作していることが知られている。なかでも産雌性単為生殖化はそのメカニズムが明らかとなっていない。本研究により、この性決定という生物学上重要な事象における特異な現象のメカニズムを明らかにする端緒となる成果が得られた。それだけでなく、農業害虫に対する安心・安全な農薬として注目されている寄生蜂の効率的な増殖方法の基盤となる成果が得られた。今後生殖操作技術を活用することで様々な有用天敵寄生蜂の効率的な増殖が可能となると考えられる。
|