研究課題/領域番号 |
19K06070
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39050:昆虫科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小澤 理香 京都大学, 生態学研究センター, 研究員 (90597725)
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研究分担者 |
塩尻 かおり 龍谷大学, 農学部, 教授 (10591208)
松井 健二 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (90199729)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | みどりの香り(GLVs) / チョウ目幼虫 / 直接防衛 / 間接防衛 / 絹糸腺 / 寄生蜂 / FHD / 防衛回避 / 被食防衛 / みどりの香り(GLV) / 関節防衛 / みどりの香り / チョウ目昆虫 |
研究開始時の研究の概要 |
植物の誘導的な被食防衛に対し、植食者がそれを積極的に抑制する現象に近年注目が集まっているが、その実態にはいまだ不明な点が多い。本研究では、チョウ目昆虫に広く分布する、植物の「みどりの香り」の生合成を抑制する酵素に注目し、「みどりの香り抑制酵素がチョウ目幼虫による食草の防衛回避に寄与している」という仮説を立てこれを検証する。具体的にはチョウ目幼虫について、本酵素の①酵素としての存在と機能、②食草の誘導的な被食防衛に対する抑制作用を明らかにすることを試みる。本研究成果は、チョウ目昆虫の植食性獲得進化に新しい知見をもたらすとともに、農業害虫としてのチョウ目幼虫の管理につながる基盤的研究である。
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研究成果の概要 |
本研究では、我々がカイコで見出した「みどりの香り生合成の抑制酵素」が、チョウ目幼虫による食草の防衛回避に関与しているという仮説を立て、その検証を行った。その結果、植食者の食性がみどりの香りによる直接防衛に負の影響を与える可能性や、複数のチョウ目幼虫の絹糸腺にみどりの香り抑制活性が存在することを見出し、その普遍性を確認した。また、「みどりの香りの抑制酵素」をノックアウトしたアワヨトウを作出して、本酵素が直接防衛の回避に重要であることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多くの植物が放出するみどりの香りの機能について、これまで知られていなかったチョウ目幼虫に対する食害抵抗性に関わることを明らかにした。また、チョウ目昆虫であるアワヨトウがもつ酵素(FHD)が、みどりの香りによる植物の抵抗性を回避する機能を持つことを示した。チョウ目幼虫の多くは食葉性であり、葉菜などの農作物に対する害虫となっている。今回明らかにしたみどりの香りの成長抑制活性を利用することで安心安全な害虫管理への応用が期待できる。
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