研究課題/領域番号 |
19K06075
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39050:昆虫科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
藤井 告 九州大学, 農学研究院, 准教授 (50507887)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 昆虫 / 窒素代謝 / 尿酸 / 抗酸化酵素 / ペルオキシレドキシン / ゲノム編集 / CRISPR/Cas9 / ノックイン / XDH / モリブデン補酵素 / アルデヒド酸化酵素 / RNA-seq / XO / 遺伝子ファミリー / 油蚕 |
研究開始時の研究の概要 |
昆虫の窒素老廃物である尿酸は、チョウ目昆虫では皮膚の真皮細胞に蓄積され、生息環境への幼虫の適応力を左右する重要な機能を担う。従来から昆虫の尿酸は哺乳類の肝臓に相当する脂肪体で合成されると考えられてきたが、申請者の事前実験ではカイコの真皮細胞で活発な尿酸合成が確認された。 本研究では、ゲノム解析が終了しているカイコを使用して、脂肪体と真皮細胞で合成される尿酸を区別できる実験系を駆使し、尿酸合成における真皮細胞の役割を解明する。さらに、真皮細胞で尿酸を合成できず、成虫期には不妊となる変異体の原因遺伝子を同定し、昆虫の尿酸合成を支配する分子機構を解明する。
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研究成果の概要 |
ゲノム情報が整備されたモデル昆虫であるカイコでは、真皮細胞の尿酸蓄積量が低下した変異体が多数分離されており、それらの皮膚が油紙のように透明化することから「油蚕:あぶらこ」と総称されている。カイコの油蚕は、チョウ目昆虫の幼虫が尿酸を真皮細胞に蓄積するメカニズムを分子遺伝学的に解明する上で好個な材料である。本研究では、RNA-seq解析やゲノム編集解析により、新たに3種の油蚕の原因遺伝子を同定することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
カイコの油蚕変異体の原因遺伝子の解析を通じて、昆虫の窒素代謝の分子機構の理解が深まった。尿酸合成の鍵酵素であるキサンチン脱水素酵素(XDH)の活性に抗酸化酵素の一種であるペルオキシレドキシン6(Prx6)が必須であるという知見は、尿酸代謝や抗酸化酵素の研究が盛んに行われている哺乳類においても知られていない。今後、カイコのPrx6がXDH活性を制御するメカニズムを解明することができれば、尿酸代謝の破綻を通じて害虫を不妊化する害虫駆除法の開発につながる。
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