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チョウ目幼虫のもつ突出した頭部突起が果たす役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K06079
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分39050:昆虫科学関連
研究機関近畿大学

研究代表者

香取 郁夫  近畿大学, 農学部, 准教授 (00319659)

研究分担者 土原 和子  東北学院大学, 教養学部, 准教授 (10300823)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2021年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
キーワードイモムシ / 頭部突起 / 天敵からの防衛 / 食草探索補助 / ゴマダラチョウ / フタオチョウ / アオジャコウアゲハ / アサギマダラ / セグロアシナガバチ / 側単眼 / ヤエヤマネコノチチ / ガガイモ / 食草探索仮説 / 食草発見率 / アシナガバチ / 野鳥 / 生存率 / 突起有 / 突起無 / 突起接着 / 体節付属肢 / 柔らかい突起 / 硬い突起
研究開始時の研究の概要

仮説A「柔らかい突起は食草探索に役立つ」の検証実験をホソオチョウ幼虫を用いて行う。以下の2実験に細分される。実験A1:突起有り・無しの幼虫による食草探索実験。実験A2:突起表面の微細構造の観察と感覚子の種類の見極め
仮説B「硬い突起は捕食者からの防衛に役立つ」の検証実験をゴマダラチョウ幼虫とフタオチョウ幼虫を用いて行う。以下の2実験に細分される。実験B1:天敵による突起有り・無しの幼虫の捕食実験。実験B2:突起表面の微細構造の観察と感覚子の種類の見極め

研究成果の概要

ある種のチョウ目幼虫は頭部に長い突起を持つが、その役割はほとんど解明されていない。本研究では硬い突起の役割について「天敵からの防衛」仮説を立て、フタオチョウ幼虫を用いて仮説を検証した。突起を切除した「突起無」幼虫と、無処理の「突起有」幼虫を天敵アシナガバチに襲わせたところ、突起有の幼虫は突起無の幼虫より有意に防衛率が高かった。よって仮説は一部支持された。
一方、柔かい突起の役割について「食草探索補助」仮説を立て、アサギマダラ幼虫を用いて仮説を検証した。その結果、突起有の幼虫は突起無の幼虫に比べ食草発見率が有意に高かった。よって仮説は実証された。

研究成果の学術的意義や社会的意義

チョウ目の幼虫がもつ頭部突起は大きく2グループに分けられる。1つは頭部から直接生える硬い突起であり、もう1つは頭部のすぐ後ろから生える柔らかい突起である。
前者について、私たちはすでにゴマダラチョウ幼虫を用いて「天敵からの防衛」仮説を実証したが、本研究におけるフタオチョウ幼虫の実験結果は、この仮説の普遍性を物語っている。一方後者について、私たちはすでにアオジャコウアゲハ幼虫を用いて「食草探索補助」仮説を実証したが、本研究におけるアサギマダラ幼虫の実験結果は、この仮説の普遍性を物語っている。これらの研究によって今後イモムシの多様で特異な形態の謎が一段と明らかになることが期待される。

報告書

(4件)
  • 2021 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2022 2021 2019 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) 図書 (1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Long horns protect Hestina japonica butterfly larvae from their natural enemies2022

    • 著者名/発表者名
      Kandori Ikuo、Hiramatsu Mamoru、Soda Minako、Nakashima Shinya、Funami Shun、Yokoi Tomoyuki、Tsuchihara Kazuko、Papaj Daniel R.
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 12 号: 1 ページ: 2835-2835

    • DOI

      10.1038/s41598-022-06770-y

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] ある種のチョウの幼虫に見られる頭部突起の適応的意義 1 ~ フタオチョウ幼虫の硬い頭部突起の役目に関する「天敵からの防衛」仮説の検証2022

    • 著者名/発表者名
      香取 郁夫, 芳谷 昴紀, 大橋 優樹, 中根 哲哉, 土原 和子, 坂本 貴海
    • 学会等名
      第66回日本応用動物昆虫学会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] ある種のチョウの幼虫に見られる頭部突起の適応的意義 2 ~ アサギマダラ幼虫の持つ柔らかい頭部突起の役目に関する「食草探索」仮説の検証~2022

    • 著者名/発表者名
      坂本 貴海, 芳谷 昴紀, 大橋 優樹, 中根 哲也, 土原 和子, 香取 郁夫
    • 学会等名
      第66回日本応用動物昆虫学会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] ある種のチョウの幼虫に見られる頭部突起の適応的意義 1 ~アサギマダラ幼虫の持つ柔らかい突起の役目に関する「食草探索」仮説の検証~2021

    • 著者名/発表者名
      坂本貴海, 中根哲哉, 芳谷昴紀, 大橋優樹, 土原和子, 香取郁夫
    • 学会等名
      日本昆虫学会第81回大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] ある種のチョウの幼虫に見られる頭部突起の適応的意義 2 ~フタオチョウ幼虫の持つ硬い突起の役目に関する「天敵防衛」仮説の検証~2021

    • 著者名/発表者名
      香取郁夫, 中根哲哉, 芳谷昴紀, 大橋優樹, 坂本貴海, 土原和子
    • 学会等名
      日本昆虫学会第81回大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] ゴマダラチョウ幼虫は2本の頭部突起を天敵アシナガバチから身を守る盾として使う2019

    • 著者名/発表者名
      香取郁夫・平松衛・惣田実菜子・中島伸也・舩見瞬
    • 学会等名
      日本昆虫学会第79回大会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [図書] チョウの行動生態学 (環境Eco選書)2022

    • 著者名/発表者名
      井出純哉
    • 総ページ数
      334
    • 出版者
      北隆館
    • ISBN
      4832607650
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [備考] チョウの幼虫 頭の突起で天敵のハチから身を守る 巧みな進化か

    • URL

      https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220306/k10013514841000.html

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [備考] チョウの幼虫、角で防御 近大解明、ハチの攻撃を阻止しやすく

    • URL

      https://www.nikkei.com/article/DGKKZO59384690V20C22A3MY1000/

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2023-01-30  

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