研究課題/領域番号 |
19K06087
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39060:生物資源保全学関連
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研究機関 | 兵庫県立大学 (2020-2021) 明治大学 (2019) |
研究代表者 |
杉本 太郎 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 特任助教 (20570493)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | モンゴル / アイベックス / 糞DNA / 遺伝的多様性 / 性判定 / 保全 / 遺伝構造 |
研究開始時の研究の概要 |
モンゴルの西部から南部にかけて広がる山岳地帯には、高山環境に適応した希少な大型草食動物が生息している。しかし生息地へのアクセスの難しさから学術研究は進んでいない。生息地では、鉱山開発やそれに伴う道路建設、密猟、家畜頭数の増加による植生の劣化が起きており、草食動物の生息環境は急速に悪化している。生息環境の悪化が希少動物に不可逆的なダメージを与える前に、効果的な保全対策へとつながる研究が求められている。本研究ではモンゴルのアルタイ山脈全域を対象とし、高山性草食動物の遺伝的多様性の評価及び保全単位の提言を目指す。
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研究成果の概要 |
モンゴルの山岳環境には希少な大型草食動物が生息しているが、生息地までのアクセスや試料採集の難しさなどから学術研究は遅れていた。本研究では生息地で採集した糞試料を活用し、十分なサンプル数に基づく解析を初めて実施した。ミトコンドリアDNA及び核DNAの解析から、野生ヤギの遺伝的多様性は高く、遺伝構造は存在するがボトルネックの痕跡はなく、安定した集団であることが示唆された。観察された地域集団を保全単位とし、地域集団間のコリドーを今後も維持することが保全上重要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、野生ヤギの遺伝的多様性や遺伝構造について、十分なサンプル数に基づいた解析から明らかにすることができた。生息地で採集した糞からは、核DNAの解析に耐えうる十分なDNA量が抽出され、今後のモニタリング調査においても糞試料が有用であることが示された。野生ヤギは遺伝的多様性の高い、安定した集団であることが示唆されたが、生息地では鉱山開発やそれに伴う道路整備が進んでいることから、本研究の成果をベースに、今後も調査研究を継続することが重要である。
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