研究課題/領域番号 |
19K06092
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39060:生物資源保全学関連
|
研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
原島 小夜子 大阪公立大学, 大学院農学研究科, 客員研究員 (50570032)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | オオミジンコ / 内分泌撹乱物質 / 酵母レポーターアッセイ法 / 脱皮ホルモン / 幼若ホルモン / 酵母レポーターアッセイ / 環境指標生物 |
研究開始時の研究の概要 |
環境指標生物オオミジンコに対する内分泌撹乱物質となり得る脱皮ホルモン・幼若ホルモン受容体リガンドを検出するため、受容体発現プラスミド、転写共役因子SRC発現プラスミド、およびレポータープラスミドを構築して野生株酵母に導入し、バイオアッセイ酵母を作製する。内因性ホルモンや、農薬成分である脱皮ホルモン・幼若ホルモン様リガンドへの応答を確認する。応答が低い場合、リガンドの細胞壁透過性を向上させ、排出を抑える変異を酵母に導入する。さらに、これらの受容体への作用が未知の農薬成分など各種化学物質や、環境試料のオオミジンコに対する内分泌撹乱作用を網羅的に調査する。
|
研究実績の概要 |
オオミジンコは化学物質に対する感受性が高く、化学物質の内分泌撹乱性・毒性の指標として繁殖試験(脱皮回数、産仔数、仔虫の性比)が採用されている。この手法は化学物質の個体への影響を直接的に判別する手法であるが、非常に煩雑で熟練の技術が必要であり、供試のためのオオミジンコの前培養期間を含めると、3週間から1ヶ月程度と長い時間を要する。また、実施可能な研究機関が限定されているのが現状である。本研究ではオオミジンコに対する内分泌撹乱物質の標的であり、繁殖に重要な脱皮ホルモン受容体(EcR-USP)および幼若ホルモン受容体(Met)を発現する遺伝子組換え酵母を作製し、環境試料中のそれぞれの受容体のリガンド物質を簡便・迅速(2 日)・安価に検出できるレポーターアッセイ系を創出した。また、これらの酵母株を実際にため池の水などの環境試料のアッセイに用い、酵母レポーターアッセイでリガンド物質の検出が可能であることを示した。 今年度は、昨年度に新たに同定したオオミジンコ生体内でのMetの新規応答配列2種について、 Metの結合配列E-box (CACGTG)への変異導入や、E-boxを含む配列の長さを変化させることにより、それらの特性について詳細な解析を試みた。また、当初の計画にはなかったものの、昨年度から着手したUSP発現酵母株の作製に関しても、様々な化学物質のアッセイを行い、これまで知られていなかったUSPのアゴニスト・アンタゴニストを同定した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、昨年度に引き続きMet発現酵母株を用いたオオミジンコ生体内の幼若ホルモン応答配列(JHRE)の探索に関し、E-boxへの変異導入実験やE-boxを含む配列長による応答の変化を調べるなど、その特性を明らかにするためのより詳細な解析を行った。USP発現酵母についても、これまでリガンドはほとんど知られていなかったが、本研究で10種類以上のアゴニスト・アンタゴニストを同定した。
|
今後の研究の推進方策 |
これまでに樹立したオオミジンコEcR-USPおよびMet発現酵母株を用いて、非脱皮ホルモン・非幼若ホルモン構造をもつ化学物質のうち、脱皮異常やオス仔虫誘導活性を示す物質の各受容体へのリガンド活性を調べる。
|