研究課題/領域番号 |
19K06094
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39060:生物資源保全学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
河合 久仁子 東海大学, 生物学部, 教授 (60451415)
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研究分担者 |
Vincenot C.E. 京都大学, 情報学研究科, 助教 (80751908)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | ユネスコの世界自然遺産地域 / 小コウモリ類 / 保全 / 音響ルアー / 自動録音装置 / 森林棲コウモリ類 / 西表島 / やんばる / 世界自然遺産地域 / 超音波自動録音装置 / 分布 / 未確認種 / ユネスコ世界自然遺産候補地 / ユネスコ 自然遺産候補地 / ユネスコ自然遺産候補地 |
研究開始時の研究の概要 |
南西諸島の生物相は多様性・固有性・依存性が高いことで知られ、ユネスコ自然遺産の候補地となっている。これらの地域に生息する小コウモリ類はIUCNのレッドリストに記載され、昆虫食者としてまた被食者として地域の生物多様性維持に貢献しているにも関わらず、生息状況の把握は十分になされていない。本研究は、小コウモリ類の発する超音波の自動録音装置と捕獲に音響ルアーを組み合わせる独自の技術を用い、沖縄島北部ならびに西表島に着目し、小コウモリ類の分布状況を把握し、その分布に影響を与える環境要因と相対的な生息密度を明らかにし、人的影響の程度を評価した上で、明確な保全モデルの確立を目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究は、ユネスコ自然遺産の西表島や沖縄島北部やんばるにおいて、超音波の自動録音装置と捕獲を組み合わせ、1)小コウモリ類の分布を解明し、2)分布と相対的密度に影響を与える環境要因を特定し、3)人間の影響を評価し、4)保全の提言を行うことを目的とした。西表44地点国頭村70地点での調査の結果、西表島はカグラコウモリが他の2種より録音頻度と地点数が少なかった。国頭村は洞窟棲が樹洞棲コウモリ類より広く分布し、ヤンバルホオヒゲコウモリは非常に稀で水辺の老齢林を好むようであった。西表島の観光業による洞窟ねぐらの撹乱とやんばるの老齢林の保全が、これら島のコウモリ個体群の回復のために必要であると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はユネスコの世界自然遺産地域となった、西表島・沖縄北部やんばるにおいて、固有種でかつ絶滅危惧種である小コウモリ類に着目した。コウモリ類は夜行性でかつ高い飛翔能力を持つため、中・南琉球におけるコウモリ類の調査は洞窟内の調査が中心であり森林棲コウモリ類の調査は行われてこなかった。この理由として森林内の捕獲調査が危険で困難であり、生息密度が低い場合は捕獲効率が非常に低いことが挙げられる。本研究は、自動録音装置と音響ルアーを併用した捕獲調査を行うことによって、小コウモリ類の網羅的調査に成功し、また保全に関わる重要な知見を得た。また、観光ツアーがコウモリ類の脅威となっていることを指摘した。
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