研究課題/領域番号 |
19K06098
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39060:生物資源保全学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
澤畠 拓夫 近畿大学, 農学部, 准教授 (80709006)
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研究分担者 |
早坂 大亮 近畿大学, 農学部, 准教授 (20583420)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 侵略的外来生物 / 社会性昆虫 / 薬物に対する感受性 / 餌の獲得能力 / 餌の分配能力 / 餌の分配試験 / 餌分配行動の女王の存在による違い / 営巣試験 / 在来アリと外来アリの餌獲得能力の違い / 在来アリと外来アリの餌分配能力の違い / 在来アリと外来アリのコロニーの薬剤感受性 / 外来アリと在来アリの餌の獲得能力の差異 / 外来アリと在来アリの餌の分配能力の差異 / 外来アリと在来アリの餌の消費能力の差異 / ベイト剤に対する外来・在来アリの感受性の差異 / アリの餌獲得量の種による違い / アリの餌消費量の種による違い / アルゼンチンアリの餌分配能力 / 安定同位体を用いたアリの餌分配の実態調査 / アルゼンチンアリ / 撲滅メカニズム / 昆虫の社会性 / 餌獲得能力 / 餌分配能力 |
研究開始時の研究の概要 |
侵略的外来種アルゼンチンアリのベイト剤(毒エサ)による撲滅が、一部地域で成功したメカニズムについて、その原因が単なるアリ個体の薬剤感受性のみならず、そのアリが獲得したエサを他個体に分配する能力=社会性の違いにあるのではないかという仮説に基づいた研究を行う。具体的には、アルゼンチンアリと在来アリの餌獲得速度と餌の消費量、さらには資源分配能力の差異について、野外・室内試験と安定同位体分析を行い、これらの結果をアリの社会性と関連づけて解析する。本研究により、ベイト剤で駆除しやすいアリとそうでないアリの特性を明らかにし、今後、我が国に侵入した外来アリの防除対策に役立つ情報を提供する。
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研究成果の概要 |
本研究では、薬剤ベイトの施用により、アルゼンチンアリのみが顕著に個体数を減少させ、クロヒメアリやトビイロシワアリ等の在来アリ類がほとんど影響を受けないこと、そしてこれらの3種の採餌行動の規模には種間で違いがなく、一様にベイトを採餌しうること、さらにアルゼンチンアリは他の2種に比べ採餌能力と分配能力が共に高く、餌を発見後、短時間でコロニーメンバーのほぼ全てが餌を獲得し得ることを、野外調査,炭素・窒素安定同位体比による食性ニッチの推定,アリ類の集団的な採餌・分配能力の室内試験により明らかにした。これらはアルゼンチンアリが最も薬剤ベイトの影響を受けるメカニズムの解明につながる知見となるものである.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得られた成果は、高度の社会性を確立した昆虫群を薬剤防除の対象とした場合、個々の虫体の薬剤感受性のみならず、社会性の違いに基づいた餌獲得・分配能力の違いによって、集団の薬剤感受性が変わり得ることを証拠立てるものである。そして、今後、ヒアリ等、他の外来アリに対する薬剤防除戦略を策定する際、対象種の社会性に基づいて効果的な方法を選ぶ必要があることを示す、価値ある知見となると期待される。
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