研究課題/領域番号 |
19K06102
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39060:生物資源保全学関連
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研究機関 | 滋賀県立琵琶湖博物館 |
研究代表者 |
天野 一葉 (桝永一葉) 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 特別研究員 (50526316)
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研究分担者 |
石橋 靖幸 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (80353580)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 集団の遺伝的構造 / 管理ユニット / 遺伝的分化 / 特定外来生物 / マイクロサテライト / 外来鳥類 / 遺伝的多様性 / 保全生態学 |
研究開始時の研究の概要 |
特定外来生物のソウシチョウは、近年日本各地の森林に侵入・定着して分布を拡大させ、在来鳥類群集を含めた地域の生態系に深刻な影響を与えている。本研究では、ソウシチョウを広域な分布拡大期にある森林性外来鳥類のモデル動物として、既存の捕獲技術の改良を試みるとともに、遺伝情報に基づいた駆除のための管理ユニットを設定することによって、効果的な管理手法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
東北から九州の落葉広葉樹林にて、かすみ網を用いて特定外来生物ソウシチョウを捕獲して血液サンプルを収集した。8座のマイクロサテライトDNAマーカーを用いて、日本の19の地域集団(N = 621個体)の遺伝的構造を検討した。全集団で高いヘテロ接合性(平均0.83-0.92)が示され、遺伝的分化度FSTと地理的距離に正の相関が見られた。STRUCTURE解析では3つのクラスターが検出され、中国大陸の3系統の定着が示唆された。クラスター構成から4地域(筑波山以北、東海ー近畿と香川、中国ー四国(香川除く)、九州)を本種の管理ユニットとし、クラスター間の混合が進む地域を優先的な駆除対象地域として提案する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
外来種は生物多様性の最大の脅威の一つである。特定外来生物のソウシチョウは、近年日本各地の森林に侵入・定着して分布を拡大させ、在来鳥類群集を含めた地域の生態系への影響が危惧されている。本研究の学術的意義は、本種を広域な分布拡大期にある森林性外来鳥類のモデル動物として、既存の捕獲技術の改良を試みるとともに、遺伝情報に基づいた駆除のための管理ユニットを設定して、優先すべき駆除管理地域を提案したことである。由来の異なる集団が二次的に接触する交雑帯を重点管理地域に設定して、個体数モニタリングを強化したり、駆除の優先順位を高くしたりすることで、本研究の成果は外来種の駆除管理計画に応用できる。
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