研究課題/領域番号 |
19K06118
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39070:ランドスケープ科学関連
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研究機関 | 南九州大学 |
研究代表者 |
関西 剛康 南九州大学, 環境園芸学部, 教授 (80461656)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 日本庭園 / 庭園 / 庭園利用 / 天皇家 / 足利将軍家 / 禅宗 / 室町文化 / 南北朝文化 / 庭園史 / 日本中世史 / 禅僧 / 禅宗庭園 / 上流階級 / 室町時代 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、上流階級であるこの三者(公家・武家・禅僧)らが、京の日本庭園(天龍寺庭園、西芳寺庭園、金閣寺庭園等々)における社交場において、芸術文化を形成していった背景とその内容(三者の立場による文化的相関性とその文化的利用)について検証ならびに再考を行う。 また、今まで割合と個別に捉えられてきた近接分野(庭園史と文学史等)との関連性を図ることで、日本中世文化研究の発展をさらに促すものとする。 かつ、中世日本庭園の一端を解明することで、近代における日本庭園の文化性ならびに庭園利用の在り方について再考することにも繋がり、世界における日本文化の発信や理解にも役立つものと考える。
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研究成果の概要 |
鎌倉末期から室町初期の京における天皇家・将軍家・禅僧ら上流階級である三者らによる日本庭園の利用について、以下の事項が判明した。 足利尊氏と弟直義は最初、天皇家や禅僧らと共に、自邸の庭園で偈頌や詩歌会等による交流を催してはいたが、まだ三者による活発な庭園利用は発展途上であった。しかし、尊氏と直義が同時期、天龍寺・西芳寺・醍醐寺・常在光院等の他の庭園に赴き、そこでの天皇家や禅僧らとのサロン的交流を通じて、庭園を舞台とする王朝や禅宗の文化を吸収していた。その後、尊氏と直義の自邸やその他の日本庭園を含めて、詩歌会や庭園観賞等を通じて、さらに天皇家や禅僧らとのサロン的交流を深めていったことが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
公武政権が交代して鎌倉時代から室町時代となり、大きく庭園文化の担い手は変容していった。そもそも鎌倉時代の庭園文化の担い手は、主に伝統的な平安文化からの継承者である天皇家と、中国文化の影響を受けていた禅宗や他の仏教寺院であって、新たに台頭した武士の文化水準はそれほど高くはなかった。それが室町時代には、南北朝争乱によって伝統文化の継承者であった天皇家の地位は下がり、逆に足利将軍家の室町幕府体制による地位確立から将軍家独自の庭園文化が栄えていった。その変遷を足利尊氏とその弟直義の交流関係から、どのように王朝や禅宗文化を吸収して発展していったかについての研究は、庭園史の発展に有意義であると考える。
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