研究課題/領域番号 |
19K06123
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
粟屋 善雄 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 教授 (90353565)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | LiDAR / 落葉広葉樹林 / 葉面積指数 / Beer-Lambert則 / 吸光係数 / 階層別 / 垂直分布 / リタートラップ / 全天写真 / PPFD / アロメトリ式 / 航空レーザ / 葉群 / 空間分布 / 航空レザー / 光合成有効放射束 / 植物断面積指数 / 航空レーザデータ / 林冠 |
研究開始時の研究の概要 |
岐阜県高山市の落葉広葉樹林を対象に航空レーザ(LiDAR)データと地上調査データに基づいて、林冠構造の変化と葉面積指数(LAI)とLAIの垂直分布を推定することを目的とする。林冠構造についてはギャップ判定条件を幾つか設定してギャップ判定精度を検証する。LAIについては地上調査データを利用してLiDARデータから1)ビームの減衰率とLAIの回帰式に基づく方法と、2)Beer-Lambert則に基づく方法でLAIを推定し、地上データで検証する。これら2つの方法で林冠を水平な層に分割してLAIの垂直分布を推定し、それぞれの結果を比較して葉群構造判定の妥当性について検討する。
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研究成果の概要 |
岐阜県生井川上流の落葉広葉樹林を対象に2011年8月に取得された航空レーザデータを利用して、林冠の3次元構造に基づいて葉面積指数(LAI)を推定する方法を開発した。単木の葉量と垂直分布を表すモデルを利用して毎木調査データからプロット単位で葉面積の垂直分布を求めた。樹冠高を標準化して0-33%,34-66%,67-100%の高さ別に葉面積を求め、レーザパルスの透過率とBeer-Lambert則に基づいて階層ごとに吸光係数を求めた。吸光係数を各層に当てはめてBeer-Lambert則でLAIを推定したところ、推定値の飽和現象が改善され樹冠を1層として扱う従来の推定法より推定精度を大幅に改善できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
樹木の葉は光合成により大気中の二酸化炭素から炭素を固定して木部に貯蔵する。樹木が固定する炭素量を正確に推定するには葉量(葉面積指数:LAI)を正確にマッピングする必要があるが、LAI推定に広く利用されているBeer-Lambert則ではLAIが4を超える場合には推定値が飽和して高精度の推定は困難だった。本研究では林冠を3層(葉層、中間層、幹層)に分けてLAIの推定精度を大幅に改善できた。森林の炭素固定能を評価する基礎データであるLAIの推定精度が向上することにより林の炭素固定能の評価精度が向上し、ひいては温暖化に対する適応策の改善に貢献すると期待される。
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