研究課題/領域番号 |
19K06126
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
菱 拓雄 九州大学, 農学研究院, 准教授 (50423009)
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研究分担者 |
兵藤 不二夫 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (70435535)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 地球温暖化 / オープントップチャンバー / 斜面方位 / 土壌生物群集 / 土壌生態学 / 腐食食物網 / レガシーエフェクト / 温暖化装置 / 土壌呼吸速度 / 凍結融解 / 土壌乾燥 / トビムシ / PLFA / 土壌 / 温暖化実験 / 土壌生態系機能 / 形質 / 生物多様性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、北海道東部において乾性立地と適潤立地の森林土壌でオープントップチャンバーによる温暖化処理を行い、土壌トビムシ群集、土壌微生物群集の機能的多様性および有機物分解や窒素無機化量など物質循環機能に及ぼす影響の大きさを評価する。これによって、高いストレス環境を経験して形成された生物群集が、温暖化による乾燥や凍結ストレスの増大に対して高い抵抗性を持つかどうかを検証する。
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研究実績の概要 |
本研究では、北海道東部において乾性立地と適潤立地の森林土壌でオープントップチャンバーによる温暖化処理を行い、土壌トビムシ群集、土壌微生物群集の機能的多様性および有機物分解や窒素無機化量など物質循環機能に及ぼす影響の大きさを評価する。これによって、高いストレス環境を経験して形成された生物群集が、温暖化による乾燥や凍結ストレスの増大に対して高い抵抗性を持つかどうかを検証することを目的としている。 実験に用いたOTCの性能についての結果について菱ら(2021)に取りまとめた。温暖化が土壌生物の現存量に与える影響については、立地の履歴や実験期間、土壌生物の分類群によって大きく異なっており、微生物が比較的温暖化処理に対して直接応答するのに対して、土壌動物の反応は様々であった。微生物食者のトビムシや捕食者のトゲダニでは温暖化に対して初期増加した後減少するなど、短期的に様々な影響を受けるのに対し、ササラダニ群集の個体数は安定していた。また、ケダニ群集は正の影響を受け、全体の個体数の変動はあまり大きくなかった。レガシー効果については、よりシビアな南向き斜面ではストレス耐性の高い個体を中心とした群集を形成し、斜面の間での群集サイズ減少への影響に大きな違いがない、またはより穏やかな北斜面で、温暖化による現存量の減少が大きかった。温暖化から受ける影響は温度や水分など、温暖化による物理的な直接影響だけでなく、食物網を介した変動が重要であった。現在はこの成果について学会での発表を行うと同時に、投稿論文を執筆している。 また、温暖化がどの深度まで及んでいるかについて、土壌の深さと温暖化処理の関係についても検討し、表層5cmの土壌採取で温暖化影響が検出されるが、5-10cmの深さでは検出できないことを明らかにした。この結果については日本土壌動物学会大会で発表し、その成果を論文に取りまとめているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では温暖化が土壌生物の多様性や機能に与える影響の立地依存性や履歴効果について検討を行った。2年間の野外操作実験を実施し、補足データの取得なども含めて、十分な結果が得られた。また、これらの結果を学会や学術誌で発表するなど、順調に進行している。一方で結果全体を取りまとめた学術誌の投稿は遅れているが、これについては今年度前半での投稿を見込んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度までに予定していた観測はすべて終了した。成果の発表については適宜行ってきており、国際雑誌への投稿が待たれている。今後は、温暖化の影響の環境依存性や栄養段階の重要性も含め、気候条件をカバーした、より一般的な研究課題の立案を模索する。
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