研究課題/領域番号 |
19K06131
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 鶴岡工業高等専門学校 |
研究代表者 |
南 淳 鶴岡工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50270210)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | クローナル植物 / クローナル低木 / 林床 / DNAメチル化 / エピジェネティクス / MSAP / マイクロサテライトマーカー / ヤブコウジ / 林床植物 / マイクロサテライト / 森林生態系 / エコロジカル・エピジェネティクス |
研究開始時の研究の概要 |
クローナル植物の全体(遺伝的な個体、ジェネット)は、多数の機能上の個体(ラメット)が地下茎などで繋がって構成されている。このクローナル植物は森林などの生態系において重要な成員であり、これが長い年月の間にどのように成長、拡大していくのかを知ることは、生態系の動態を予測するのに必要である。ひとつのジェネットの各ラメットは、DNAの塩基配列は同一であるが、DNAの化学修飾(メチル化)の状態は次第に変わっていく。この事を利用して各ラメットの親子関係を明らかにする方法を開発する。様々な森林の林床に群落を形成する、矮性の低木であるヤブコウジをモデルとして研究する。
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研究成果の概要 |
クローナル植物の個体のDNAメチル化状態により群落の形成過程を推定する方法の開発をめざした。森林性クローナル低木ヤブコウジArdisia japonicaのマイクロサテライトマーカーを開発しジェネット(遺伝的個体)を識別した。1.3 x 1.7 kmの調査区のサンプリング箇所の73%を3つのジェネットが占め、その範囲は半径1 km程度にもなった。高効率なMSAP(メチル化感受性増幅断片長)法によりラメット間のDNAメチル化遺伝子座の変異を解析した。地下茎でつながったラメットでは、当年葉より前年葉のDNAメチル化の違いは大きかった。しかし、ラメットの系譜とDNAメチル化との関係は見られなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
クローナル植物は、森林の植物群集の重要な構成員であり、森林生態系の動態に重要な役割を持つ。しかしながら、個体識別に分子生物学的実験が必要になることから、その生態に関する研究は遅れている。本研究では様々な森林の林床において優勢な低木であるヤブコウジについて解析し、その遺伝学的個体が非クローナル植物に比べて遥かに巨大で高寿命であることを示した。これは身近な森林の見方を変える知見である。
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