研究課題/領域番号 |
19K06139
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小野 清美 北海道大学, 低温科学研究所, 助教 (50344502)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 常緑 / 落葉 / 葉寿命 / 光合成 / シンク・ソース / 常緑広葉樹 / 落葉広葉樹 / 低温 / 展葉・落葉 / 光ストレス / 常緑樹 / 落葉樹 / 常緑性・落葉性 / 葉齢 / 常緑・落葉 / 光合成能力 / 光ストレス応答 |
研究開始時の研究の概要 |
気温や日長が季節変化する気候のもとで、気温が著しく低下する冬のような光合成に不適な期間に葉を落とす落葉樹と、一年中葉をつける常緑樹が存在する。常緑樹は葉寿命が長く、気温の季節変化にさらされることが多いために、低温状態で光エネルギーが過剰になる光ストレスに対して落葉樹よりも応答能力が高いと考えられる。一方、葉の光合成能力は葉齢に伴って低下することから、光ストレス応答能力も高齢の葉ほど低下する可能性がある。本研究では、常緑広葉樹、落葉広葉樹および常緑針葉樹を対象とし実験を行い、光ストレス応答能力が落葉樹・広葉樹および葉齢によって異なるのか、それが葉寿命を決定する要因になるのかについて研究を行う。
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研究実績の概要 |
常緑樹や落葉樹を温暖な環境から低温環境に移したときに、同じ樹種でも葉齢、あるいは葉の老化が進んで光合成能力が低下したものほど光ストレスを受けやすいのか、常緑樹と落葉樹では、低温に移したときの応答が異なるのかという観点から、同じコナラ属の常緑樹は主にアラカシ、落葉樹は主にコナラを用いて研究を行ってきた。これまでに、個体数が少ないため、明確に結論付けることはできないが、本来の生育地よりも厳しい冬の環境にさらしたときに、アラカシは葉齢の進んだ葉ほど、光ストレスを受けている可能性が示唆された。 低温環境に移したときの光ストレス応答という流れからは外れてしまったが、生育温度(本来の生育地に近い温度とそれよりも低い温度)と葉寿命、あるいは光合成能力の維持と低下という点から、常緑樹と落葉樹の比較を行った。10度前後の低温環境では、温暖な地域に生育する常緑樹アラカシにおいても葉が長期間維持され、その要因はシンクとなる新しい葉の展開が抑えられているためではないかという結果が得られた。20度前後の温暖な環境では、常緑樹に栄養を与えた直後に新しい葉が展開し、古い葉の落葉が見られた。通常は、気温や日長の季節変化に伴って、芽が開き、展葉するが、季節性がない環境制御下で常緑樹を栽培しても、休眠状態にあった芽が個体への栄養添加後に展葉し、展葉に伴って、すでについていた葉、特に光合成能力が低下していた葉の落葉を促し、さらに新しい芽をつけるという現象を確認することができた。低温環境では葉が長期間、多く維持されるが、栄養添加後の展葉は抑えられるという現象が見られた。このような結果は、個体内における葉の老化や葉寿命を制御するメカニズムの一つを示すことになると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の研究目的とはすこしずれてしまった点はあるが、葉の老化や葉寿命の制御に対する、光ストレスや個体内のシンク・ソース関係に関して、興味深い結果を得ることができた。しかし、光合成関連のデータは取得しているが、測定機械の故障もあり、葉の老化の程度や、ときには葉の老化の意義とされる個体内での窒素利用を示す指標になる、葉の窒素濃度の測定はほとんど終わっていない。測定機械の修理が終わったので、データを取得したい。
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今後の研究の推進方策 |
最も高い光合成能力の値や光合成能力がほぼゼロになるまでの期間、栄養を与えたタイミングと落葉の時期を、常緑樹と落葉樹、生育温度で比較し、季節性がない条件でも、常緑樹の寿命が落葉樹より長いのか、適度な低温は、個体内のシンク・ソース関係を変えて葉寿命をのばすのかを検討したい。また、落葉時には、葉の老化の意義とされる窒素の回収は起きているのか、落葉や着葉の窒素濃度を比較することによって、確認したい。
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