研究課題/領域番号 |
19K06147
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
豊田 鮎 香川大学, 農学部, 准教授 (50730800)
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研究分担者 |
長谷川 元洋 同志社大学, 理工学部, 教授 (70343811)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 土壌動物 / 土壌炭素 / ニホンイノシシ / 土壌有機物 / リター / イノシシ / 地表撹乱 |
研究開始時の研究の概要 |
温帯林の土壌は巨大な炭素貯蔵庫として機能し、その炭素動態は地球全体の炭素循環に影響を及ぼす。森林土壌の地表撹乱は農地の耕起と同様に、これまで土壌に貯留されていた炭素を急激に減少させるかもしれない。本研究では、ニホンイノシシによる地表撹乱は、炭素貯留能を低下させるか、そのプロセスに土壌動物の多様性が影響するかを明らかにすることを目的とする。本研究によって、地表が改変、喪失した森林土壌における土壌動物の機能の一部が解明されることが期待される。また、生物機能を高めつつ土壌機能の損失を未然に防ぐ一助になると考えられる。
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研究成果の概要 |
森林土壌において、ニホンイノシシの掘り返し行動の季節変化と表層堆積物の喪失の関係、その掘り返しと喪失に対する土壌動物の応答、土壌炭素の動態を評価した。ニホンイノシシによる掘り返しは秋から春にかけて観測され、とくに冬に掘り返し頻度、表層堆積層の喪失割合が高いことが示された。ニホンイノシシ等の土壌掘り返しによって、葉リター堆積量と土壌動物の生息個体数は減少した。哺乳類による土壌掘り返しの有無によって土壌動物の炭素貯留機能が異なるかを検証した結果、掘り返しがあった土壌および掘り返しが2年間なかった土壌、どちらの土壌においても同様に、土壌動物は表層の土壌炭素を増加させることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
有機物に富み、生物活動の多い表土を保全することは生態系機能の維持に不可欠である。本研究では個体数が増加した哺乳類によって森林の表土を覆う堆積層の喪失が進行している地域において、土壌動物を考慮した土壌機能の維持プロセスの解明を試みた。この研究で得られた知見は土壌動物の機能を高めつつ、土壌炭素の貯留機能の大幅な損失を未然に防ぐ一助になると考えられる。
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