研究課題/領域番号 |
19K06148
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
津山 孝人 九州大学, 農学研究院, 助教 (10380552)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 裸子植物 / 針葉樹 / 光合成 / 環境ストレス耐性 / メーラー反応 / ストレス耐性 / 酸素還元反応 / 被子植物 / 広葉樹 / 光ストレス耐性 |
研究開始時の研究の概要 |
針葉樹は環境ストレス耐性が高い。身近なところでは、マツは海岸、裸地、岩の上などでも生育できる。モミ属、トウヒ属およびマツ属の針葉樹は北半球高緯度地方に大規模な森林を形成することができる。針葉樹が過酷な環境下で生育するためには、高塩濃度、低温、乾燥や貧栄養など様々なストレスに対処しなければならない。本研究では、環境センサーとしての葉に注目し、針葉の環境ストレス耐性機構を解析する。特に、環境ストレス下で顕在化する光合成の光阻害について、その回避機構を光合成電子伝達反応のレベルで明らかにする。
|
研究成果の概要 |
メーラー反応は植物の光ストレス耐性に関わる重要な因子として古くから注目されてきた。メーラー反応とは、光合成電子伝達系の光化学系Ⅰ(系Ⅰ)下流での酸素還元反応である。一般に裸子植物(針葉樹)は被子植物よりもメーラー反応の能力が10倍高い。メーラー反応の解析においては競合する系Ⅰサイクリック電子伝達反応の存在が障害となる。系Ⅰサイクリック電子伝達反応は系Ⅰ下流から電子伝達体鎖へと電子を戻す反応である。メーラー反応と系Ⅰサイクリックは互いに電子を奪いあう関係にあり、いずれも検出が非常に難しい。本研究では、系Ⅰサイクリック電子伝達反応の測定が可能となった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
メーラー反応と系Ⅰサイクリック電子伝達反応は共に1950年代に発見された。植物の光ストレス耐性との関連でいずれにも数多くの研究がある。しかし、先行研究の多くは草本植物(各種主要作物、近年ではモデル植物)においてであり、裸子植物や針葉樹での例は皆無であった。草本植物における研究においてメーラー反応は無視しうる程小さいとされ、且つ、系Ⅰサイクリックも生理学的条件下では機能しないとの認識が最近まで主流であった。本研究の成果によって今後、裸子植物(針葉樹)の光ストレス耐性の仕組みや制御に関する研究が進むと期待される。草本植物における両反応の意義を再び検証する契機ともなりうる。
|