研究課題/領域番号 |
19K06152
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
末吉 昌宏 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (80435586)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | スギ人工林 / 群集構造 / 生物間相互作用 / 生物多様性 / 害虫防除 / 双翅目 / 間接効果 / 特用林産 / 人工林 / 捕食者 |
研究開始時の研究の概要 |
本課題は、森林へのホダ木の持ち込みが森林のきのこ類、それらを消費するキノコバエ類、キノコバエ類の天敵の間の生物間相互作用に影響するかどうかを明らかにし、さらに、天敵が害虫キノコバエ類によるシイタケ被害抑制に寄与するかどうかを検証する。原木シイタケ栽培に用いるシイタケ菌糸を蔓延させた腐朽木(ホダ木)はシイタケを生やすだけでなく、他のきのこ類や昆虫に消費され、それらの住処となるため、林内の生物の群集構造や食物連鎖を豊かにする生態学的な役割があると考えられる。この作用を定量的に明らかにし、さらに、害虫キノコバエ類の天敵の機能に焦点を当てて、天敵の増加がシイタケへの被害減少につながるかどうか検証する。
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研究成果の概要 |
原木シイタケほだ場の害虫キノコバエ類の天敵として寄生蜂、造網性クモ類、鳥類を想定し、これらの天敵の群集構造の特徴を明らかにした。ほだ場で発生する害虫キノコバエ類の直接の捕食者として、クモ類や鳥類による捕食機能は極めて低いか、十分に明らかにならなかったが、寄生蜂が機能していることがわかった。国内各地のほだ場ではこれら寄生蜂類による寄生率が4割に達する事例が観察された。また、ハエヤドリクロバチ類がほだ場やその周辺の森林、特に広葉樹林に多く見られた。子実体が発生する時期およびそれぞれの中の時期、ほだ場内部および周辺の森林環境など多くの要因によって、寄生蜂の種類や寄生率が異なると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シイタケは食用きのことして代表的な存在である。近年はおがくずを固めた菌床を使った栽培が主流となり、クヌギやコナラなどのホダ木を使った原木栽培の生産量は減りつつある。しかし、原木シイタケは菌床シイタケの数倍の価格で取り引きされるため、本州・九州の一部の中山間地域では今でも原木栽培が盛んである。 原木シイタケの害虫として複数種のキノコバエ類が知られている。また、これらの天敵として寄生蜂類、鳥類やクモ類などが考えられる。害虫の個体密度はできるだけ低く抑えられることが求められる。そのため、原木シイタケ生産地として有名な大分県日田市で、ほだ場のキノコバエ類およびそれらの天敵の群集構造の特徴を明らかにした。
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