研究課題/領域番号 |
19K06155
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
梅村 光俊 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (00737893)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 植物ケイ酸体 / 粒径分画 / 土壌粒径区分 / 粒径分布 / シルト / タケ・ササ類 / 土壌生成作用 |
研究開始時の研究の概要 |
タケ・ササ類は、繁殖力が旺盛なため森林樹木の実生成長阻害や枯死を招く一方で、生育域の拡大がどのように土壌環境を変化させるかは未解明な点が多い。タケ・ササ類はケイ素を体内に蓄積するケイ酸集積植物であり、ガラス成分を主とする生体鉱物「植物ケイ酸体」を植物体内で生成する。この植物ケイ酸体は、植物の枯死・分解過程で土壌中に放出されると、その粒子の大きさなどによって、土壌の物理・化学性を変化させる可能性がある。本研究では、植物ケイ酸体の形態的特性に着目し、タケ・ササ類の植物ケイ酸体がもたらす土壌生成作用の解明をめざす。
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研究成果の概要 |
タケ・ササ類が生成する生体鉱物「植物ケイ酸体」の土壌理化学性へ与える影響を解明するために、その粒子の大きさに着目し、植物体中に含まれる植物ケイ酸体を土壌の粒径区分(砂、粗シルト、細シルト、粘土)(USDA法)に従って分画・定量する手法を開発した。本手法をモウソウチクおよびササ(チシマザサ節)の枯葉に含まれる植物ケイ酸体に適用した結果、両者ともに砂は1%以下と非常に少なく、粗シルトが20%程度、細シルトおよび粘土が各35~45%であることが明らかとなった。また、器官別野外分解試験の結果、稈に比べ葉と細根の分解速度が速く、葉と細根に由来する植物ケイ酸体が早期に土壌に供給される可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
タケ・ササ類は、旺盛な繁殖力により他の植物の更新を阻害する一方、植物体内で生成される生体鉱物「植物ケイ酸体」の土壌への供給を通して、土壌形成に関わる可能性がある。本研究では、タケ・ササから抽出した植物ケイ酸体を、土壌の粒径区分に従って粒径分画する手法を新たに開発し、砂、シルト、粘土として分画・定量することに成功した。本手法により、植物ケイ酸体の供給量を、土壌粒子の供給量としてとらえることができ、竹林・ササ地における植物ケイ酸体による土壌生成作用の解明につなげることが可能となる。
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