研究課題/領域番号 |
19K06164
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
芦谷 竜矢 山形大学, 農学部, 教授 (20423486)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 樹木成分 / テルペノイド / 光学異性体 / 化学生態学 / 生物活性 / 低木類 / クロモジ / linalool / クロモジ属 / カルス細胞 / 昆虫誘引効果 / アブラチャン / シロモジ / ダンコウバイ / オオバクロモジ / 培養細胞 / 種子 / 抽出成分 / 生合成 |
研究開始時の研究の概要 |
低木類のクロモジ等を対象に,各産地・変種・部位ごとに光学異性体分析も含めた抽出成分の成分分析を行い,その成分組成を再評価するとともに生物活性評価(抗菌・抗害虫活性)を行う。芳香成分を多く含むクロモジは地域ごとに成分組成が異なることが知られていたが,申請者らの研究でオオバクロモジの部位ごとの成分の相違や主成分のlinaloolの光学異性体比が異なることが見出された。そこで,この成分変異について詳細に検討するとともに,培養細胞を用いた各種刺激による成分産生の相違を明らかにし,各成分の生物活性評価を行うことで,樹木成分の生合成,化学生態学的な成分の役割解明,成分利用についての基礎的知見を得る。
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研究成果の概要 |
クロモジなどの低木類の葉と樹皮の低極性成分を分析し,成分の組成を明らかにした。葉と樹皮の成分組成は全ての樹種で異なっていたが,特にクロモジは主成分のlinaloolの光学異性体比を葉と樹皮で顕著に逆転させる傾向が特徴的に示された。オオバクロモジの培養細胞と無菌苗,および生木の成分分析から,linalool等のテルペン類の産生は 葉,茎等に分化した後に各々の部位の生育段階によって産生されること,光学異性体比を障害等の外部刺激に応じて変化させていることが示唆された。また,linaloolとそのoxideの森林昆虫と糸状菌に対する生物活性を検討し,立体構造の違いによって活性が異なることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
クロモジなどの低木類は現在ほとんどが未利用であり,森林資源の有効利用のためにはこれらを活用していく必要がある。そこで,低木類に特徴的に含まれる芳香成分の詳細な分析を行い成分の組成を明らかにした。またクロモジに特徴的に含まれるlinaloolの森林昆虫と糸状菌に対する生物活性を検討し,立体構造の違いによって活性が異なることが示した。これらは樹木成分利用の基礎となる知見であり,かつ化学生態学的な成分の役割の解明につながる成果と考えられる。
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