研究課題/領域番号 |
19K06165
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小幡谷 英一 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (10312810)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 木管楽器 / グラナディラ / 樹脂含浸圧密積層材 / 木質材料 / フェノール樹脂 / 寸法安定性 |
研究開始時の研究の概要 |
木材の物理・化学加工技術を組み合わせ、枯渇が危惧されるグラナディラ材の代替材を、持続可能な汎用木材や天然樹脂を用いて製造する技術を開発する。具体的には、化学処理(寸法安定化)と樹脂含浸圧密(緻密化)を複合することで、グラナディラ材に匹敵する高い力学性能と寸法安定性を達成する。グラナディラ材のストックが払底する数年以内の実用化が求められることから、第1段階として、薬品を用いた化学処理と合成樹脂を用いた樹脂含浸圧密を組み合わせ、速やかに実用化できる材料を開発し、第2段階として、天然化合物や天然樹脂を用いた、持続可能な加工法を検討する。
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研究成果の概要 |
単板に樹脂を含浸し、積層、圧密して作る樹脂含浸圧密積層材(CLVL)は、数十年前に発明された歴史のある素材であり、電気絶縁材や内装材、食器材として既に幅広く用いられている。ただ、既存のCLVLの寸法安定性は、管楽器の管体に使うには十分ではなかった。本研究により、適切な原料(単板、樹脂)の選択や、化学処理との複合によって、従来のグラナディラ材に匹敵する高い寸法安定性と気密性を備えたCLVLの製造が可能となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多くの木管楽器の管体に使われているアフリカ産のグラナディラ材は絶滅危惧種であり、このまま使い続ければ、いずれ木管楽器を作れなくなる。本研究により、資源量が豊富で持続可能な国産木材を原料に、グラナディラに匹敵する性能を持った木質材料を作ることができるようになった。これは、希少な枯渇危惧種に頼らない持続可能な楽器生産につながるだけでなく、国産材の高付加価値化、ひいては国内林業の活性化にもつながる。
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