研究課題/領域番号 |
19K06171
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
巽 大輔 九州大学, 農学研究院, 准教授 (60293908)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | ネットワーク / ゲル / パターン / 粘弾性 / ヴィスカスフィンガリング / ひび割れ / セルロース / 非線形現象 / 葉脈 / フラクタル / 導電性 / 3Dプリンタ / フィルム / ナノファイバー |
研究開始時の研究の概要 |
ヴィスカスフィンガリングおよびクラッキングなどの非線形現象用いて、異なるネットワークパターンをもつゲルを作成し、得られたパターンの構造的特徴を検討する。さらにその物性をレオロジー測定により検討する。パターンをさまざまに変えることにより、その構造的特徴と物性の相関を見出す。これらのことから、最小のネットワーク要素で最大の強度を発現できるようなネットワーク構造をもつ材料の創製を試みる。
|
研究成果の概要 |
自然界に見られるパターンとそれが示す特性について系統的に検討する目的で、①ヴィスカスフィンガリングによって形成される樹枝状ゲル②ひび割れを鋳型として作製したゲル等について、ネットワーク構造と粘弾性の関係について検討を行った。①は、枝分かれが顕著になるほど、ネットワーク構造に特有の粘弾性挙動へ移行することが示唆された。ネットワーク弾性率とネットワークの濃度との間にはべき乗則が成り立ち、そのべき数はおよそ3であった。一方、②についてもべき乗則が成り立つことが示され、べき数はおよそ5であった。以上より、本研究で得られた樹枝状ネットワークについて、パターンと粘弾性には相関があることが示された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自然が見せるネットワークには必然的な美しさと強さがあり、そこに潜む機序を探ることで構成要素が少なくても強度が高いネットワークを構築できる可能性がある。本研究の結果から、樹枝状ネットワークについて、パターン構造と粘弾性にはべき乗型の相関があることが明らかにされた。この成果をもとに、構成要素が最小の分率でかつ最大強度を得られるようなネットワークパターンをデザインすることが可能となる。軽量かつ高強度の複合材料を最小のエレメントを用いて作成することは工業的にも重要であり、本研究は学術的なネットワーク科学(基礎)と社会的に重要な複合材料(応用)の橋渡し的な意義を持っていると言える。
|