研究課題/領域番号 |
19K06178
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
大橋 康典 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (50467437)
|
研究分担者 |
木村 肇 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 研究室長 (60416287)
山田 竜彦 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (90353903)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | グリコール改質リグニン / 耐熱材料 / 有機-無機ハイブリッド / シランカップリング剤 / 代替プラスチック / グリコールリグニン / 植物由来樹脂 |
研究開始時の研究の概要 |
植物から単離されたリグニンは、機械的強度や電気抵抗性に優れた特性を有する一方、近年需要が増大しているスーパーエンジニアリングプラスチック代替品としての使用に耐えうるほどの耐熱性は有していない。そこで本研究では、リグニンの耐熱性を大幅に向上させることを目的とし、シランカップリング剤との反応で有機-無機ハイブリッド型のリグニン誘導体(ハイブリッドリグニン)を創製する。リグニン原料としては、単離リグニンの一種であり、実用化に向けた研究が進んでいるグリコール改質リグニンを用いる。
|
研究実績の概要 |
【最終年度】 各種改質リグニン及びそれらを原料とした「改質リグニンノボラック樹脂」を用いて作製したハイブリッド材料の誘電率を測定した結果、市販ノボラック樹脂を原料として同様に作製したハイブリッド材料よりも低い誘電率を有することが明らかになった。また、本材料の吸水性を測定した結果、市販ノボラック樹脂由来ハイブリッド材料との比較において、改質リグニンを原料としたハイブリッド材料では吸水率が高く、改質リグニンノボラック樹脂を原料としたハイブリッド材料では同等であった。 【研究期間全体】 改質リグニンを溶媒に溶解させ、シランカップリング剤および2-エチル-4-メチルイミダゾールを混合して反応させた結果、用いる溶剤の種類によってハイブリッド材料作製の成否が決定づけられ、改質リグニンのPEG鎖が長い場合はより疎水性の、短い場合はより親水性の溶剤を用いることで材料の品質が向上した。また、改質リグニンの配合量を増減させることにより、弾性率およびガラス転移温度の制御が可能であることが明らかになった。また、シランカップリング剤や触媒を変えることにより、ゴム状や枝分かれ構造を有する材料の作製も可能であった。上記すべての材料の耐熱性が250℃以上であった。 改質リグニンノボラック樹脂を溶媒溶解させ、シランカップリング剤および2-エチル-4-メチルイミダゾールを混合して反応させた結果、いずれの樹脂を用いた場合においても平滑な外観を有するハイブリッド材料が得られた。これらは、300℃までのDMA測定ではガラス転移温度を確認できず、市販フェノール樹脂を用いた場合よりも室温での弾性率は低く柔軟性に優れており、高温では弾性率が高く耐熱性を維持できる材料であった。
|