研究課題/領域番号 |
19K06185
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
山口 一岩 香川大学, 農学部, 准教授 (50464368)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 海産底生珪藻 / 珪酸 / 珪藻殻 |
研究開始時の研究の概要 |
海底に生きる底生珪藻と水中を漂う浮遊珪藻(植物プランクトンの主構成者)は,生息環境の違いにより,同じ珪藻類でありながら異なる栄養塩利用特性を備えている可能性が考えられる。本課題では,底生珪藻の珪酸摂取能と,彼らの死後の珪酸質被殻からの珪酸溶出の様子を,浮遊珪藻との対比という観点から明らかにすることに取り組む。
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研究成果の概要 |
浮遊珪藻との比較という観点から,海産底生珪藻の溶存珪酸(DSi)利用能と珪酸被殻の溶解特性を調べた。 5種の底生珪藻の増殖に対するDSiの影響を調べ,DSiの半飽和定数(Kμ-Si)を求めた。Kμ-Siは,いずれの種も1 μM前後と浮遊珪藻の典型値に類していた。従って,Kμ-Siを見る限り両者のDSi利用能に大差はないと考えられた。 海水に懸濁させた珪藻殻の残存率の経時変化を,計14種を対象に調べた。種間差が大きく未だ検討の余地を残すものの,概ね数日内に溶ける殻の易溶解性区分の溶解速度は,浮遊性より底生性種で遅い可能性が示された。溶解性の種間差には,殻の比表面積の違い等が関与していることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本課題を通じて,底生珪藻を介在する珪素循環の一端が,浮遊珪藻との比較という観点から明かされた。沿岸域の珪素循環に着目したとき,「海底生活を営む浮遊珪藻が底生珪藻である」という見方は,場合により正させるべき必要があることを本課題の結果は示している。まだ検討の余地を残すものの,本研究では特に珪藻細胞死後の珪藻殻の溶解速度には,浮遊性と底生性種間に系統差がある可能性が示された。
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