研究課題/領域番号 |
19K06193
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
横山 雄彦 北里大学, 海洋生命科学部, 講師 (60296431)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 珪藻 / アスパラギン酸 / ヒジキ / ホンダワラ / D-アスパラギン酸 / Asterionellopsis / 微細藻類 / 海藻 |
研究開始時の研究の概要 |
真核生物に含まれるアミノ酸は一般にL型である。ところが海藻や微細藻類にはL-アスパラギン酸(Asp)のみならず,その鏡像異性体である遊離D-Aspを多量に蓄積している極めて稀な種が存在する。D-Aspは全ての藻類に存在しているわけではなく,ヒジキなどホンダワラ属の一部の海藻および珪藻Asterionellopsis glacialisに限って,他の藻類の200倍以上のD-Aspが蓄積されている。本来なら真核生物が利用できないはずのD-Aspを,なぜこれらの藻類のみが蓄積しているのか謎であり,その由来も未解明である。本研究では,藻類におけるD-Aspの役割および合成経路の解明を目的とする。
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研究成果の概要 |
真核生物に稀なD-アスパラギン酸(D-Asp)がテレティア節に属する海藻を除くホンダワラ科の海藻および珪藻Asterionellopsis glacialisから見つかっている。Asterionellopsis glacialisを低酸素状態にするとL-AspとともにD-Aspも減少するため,D-Aspは低酸素条件下におけるエネルギー源となっている可能性がある。この結果はアカガイで認められているD-Aspの動態と同様の結果であった。アカガイではアスパラギン酸ラセマーゼによりL-AspからD-Aspが生合成されていることが明らかにされているが,藻類におけるD-Asp合成酵素は不明のままである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
真核生物に稀な物質であるD-Aspの生理機能や代謝機構の研究は主に動物で行われている。植物における知見はほとんどないが,D-Aspはホンダワラ科の海藻で認められている。本研究では微細藻類で初めて,珪藻Asterionellopsis glacialisに他の微細藻類の200倍以上のD-Aspが認められていることを発見し,他の珪藻を含む微細藻類にはほとんど認められないことを明らかにした。珪藻においてD-Aspは低酸素条件下におけるエネルギー源となっていると示唆される結果を得たことは,植物において未解明なD-Aspの役割およびその代謝機構を解明していくための第一歩として学術的に大変意義がある。
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