研究課題/領域番号 |
19K06194
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
山田 雄一郎 北里大学, 海洋生命科学部, 講師 (80458744)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 動物プランクトン / 端脚類 / Themisto japonica / Themisto pacifica / 三陸 / クラゲノミ類 / 食性 / カイアシ類 / 生活史 / 世代時間 / 捕食圧 |
研究開始時の研究の概要 |
東北太平洋において採集された試料中より浮遊性端脚類Themisto属を抽出し、成熟段階、齢、性の判別および体長の測定を行なった後にThemisto japonicaおよびT. pacificaの2種に区分し、それぞれの出現数および生物量の季節的変化を海域ごとに明らかにする。次に齢および体長のデータをもとに、各採集時のコホートを時系列に追跡して端脚類2種の世代時間を推定する。続いて、端脚類の胃内容物を同定し、さらに重量を測定して胃充満度を算出したのちに日間捕食速度を算出する。この値と動物プランクトン群集組成解析の結果より、両端脚類の現場における動物プランクトン群集に対する捕食圧の評価を試みる。
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研究成果の概要 |
岩手県沿岸から沖合において周年採集された試料を解析し、浮遊性端脚類Themisto japonicaおよびT. pacificaの地理的分布、個体群動態および食性の解析を試みた。両種の出現ピークは1月、6月および10月に存在した。沿岸ではT. japonicaが多く出現したが、沖合ではT. pacificaの出現割合が増加した。T. japonicaの成熟雌はほぼ全ての月に出現したが、出現割合は少なかった。T. pacificaの成熟個体は周年出現し、特に1月、3月、5~7月および10月に多かった。T. japonicaでは年3世代、T. pacificaでは年4世代を有することが考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
三陸海域ではThemisto属端脚類はかなり高頻度で出現し、特に当海域で漁獲されるツノナシオキアミの集群中に多く混在し、さらにごく沿岸においても濃密な群れを形成することがあるので、漁業者からも本端脚類の出現動向について強い関心を寄せていた。本端脚類は沖合海域において有用魚種に多く捕食されているだけでなく、ごく沿岸域においてもサケ稚魚の最も重要な餌料となっている。これらのことから、三陸海域における本属端脚類の生態を解明することは、生物学、海洋学的側面のみならず東北地方における水産振興の面においても重要である。
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