研究課題/領域番号 |
19K06201
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
向井 徹 北海道大学, 水産科学研究院, 教授 (60209971)
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研究分担者 |
山本 潤 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 助教 (10292004)
長谷川 浩平 北海道大学, 水産科学研究院, 助教 (30826558)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 魚群探知機 / 音響散乱特性 / 音響資源調査 / 無鰾魚 / ソウハチ / 音響特性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,いまだかつて音響手法で行われたことのないカレイ類の現存量推定を,活発に遊泳するカレイ類の一種であるソウハチを対象として実現を目指すものである。カレイは,一般に海底近くに分布するため,超音波の反射を利用した計量魚群探知機による生物の分布や量の推定を行う音響資源調査の対象となっていない。これは,発射した超音波の同一パルス内に海底と魚体が入るため両者の分離ができないことによる。そこで,海底から離れて遊泳するソウハチを対象として,その音響特性を野外調査と水槽実験で精密に調べ,音響資源調査に必要な基礎情報を蓄積し,本種の現存量を調べるための音響資源調査の実現を目指すことを目的とする。
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研究成果の概要 |
計量魚群探知機によるソウハチの現存量推定を実現するために,ソウハチの音響特性を野外調査と水槽実験で調べた。音響資源調査に必要な基礎情報を蓄積するとともに,最適な調査時間など特定を行った。まず,野外調査で,計量魚群探知機に写るソウハチの魚群の特徴を調べ,中層でパッチ状になってることがわかった。次に水槽実験でソウハチの反射特性や昼夜における行動の違いを調べ,ソウハチの音響調査は昼間に行うべきという結果がわかった。最後に,野外調査で,ソウハチと遭遇するスケトウダラ稚魚や動物プランクトンについて計量魚群探知機での写り方や周波数による違いを調べ,これらの判別方法を提案した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
カレイ類の現存量の推定は,着底トロールや刺網などによって行われているが,本研究の成果を用いると音響手法によるソウハチの現存量推定が可能となる。さらに,“浮きソウハチ”の時期の春期には,水産重要種とされるスケトウダラ太平洋系群の稚魚が噴火湾から北海道東部沖へと移動する。この移動の際に多くのスケトウダラ稚魚がソウハチと遭遇し捕食されていると推測している。スケトウダラの資源変動は,捕食圧によるところが大きいことが知られており,ソウハチおよびスケトウダラ稚魚の音響調査を行うことで,ソウハチとスケトウダラ稚魚との遭遇の規模・頻度やソウハチの捕食によるスケトウダラ稚魚へのインパクトを評価できると考える。
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