研究課題/領域番号 |
19K06226
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
阿見彌 典子 北里大学, 海洋生命科学部, 講師 (20588503)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 夏眠 / イカナゴ / 成熟 |
研究開始時の研究の概要 |
イカナゴの漁獲量激減に歯止めがかからず,有効な資源管理策の導入が急務となっている.本研究では,温暖化による水温の上昇が,イカナゴの成熟に重要な“夏眠”に与える影響に着目し,行動生理学的基盤からイカナゴの資源量減少要因を明らかにすることを目的とする.まず,行動のモニタリングにより夏眠の開始/終了要因を特定する.同時に,夏眠を定義づける生理学的指標も明らかにする.次に,温暖化による水温上昇が夏眠を介して生残と繁殖に与える影響を検討する.さらに,蓄積された環境データと照らし合わせ,イカナゴの資源量減少要因を特定し,資源管理に有効な新規加入量の予測法を確立する.
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研究成果の概要 |
瀬戸内海に生息するイカナゴの夏眠の発現を決める基準水温は13-14℃であることが示唆された.また,夏眠しない場合でもイカナゴの遊泳率は徐々に減少することから,活動量の低下は水温以外の要因によっても引き起こされることが示唆された.さらに,夏眠の指標物質として成熟に関与する殖腺刺激ホルモン放出ホルモン,テストステロン,摂食促進に関与するメラニン凝集ホルモン,抑制に関与するレプチンがイカナゴの夏眠に関与することが示唆された. 以上イカナゴの“夏眠”と“繁殖”に着目した本研究により,イカナゴの夏眠を示す指標となり得る物質の存在,夏眠の開始/終了を決定づける環境要因を追究することができた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
夏眠の生理学的指標となる可能性のある物質を示した本研究結果は,イカナゴの夏眠開始/終了時期の予測法の確立に繋がる.またそれにより,イカナゴの減少要因の特定だけではなく,夏眠魚調査を基にした加入量予測の精度の向上にも寄与できる可能性がある.また,夏眠のような一時的な活動の停止は,無脊椎動物から哺乳類まで広く確認されている.したがって本研究の夏眠に関する成果は,夏眠・冬眠・休眠の進化的背景の理解にも繋がり,基礎生物学的にも重要である.
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