研究課題/領域番号 |
19K06231
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構 |
研究代表者 |
安池 元重 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(横浜), グループ長 (20604820)
|
研究分担者 |
福井 洋平 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(南勢), 主任研究員 (40565561)
中村 洋路 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(横浜), 主任研究員 (90463182)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | ノリ養殖 / 生体防御 / あかぐされ病 / ゲノム編集 / トランスクリプトーム |
研究開始時の研究の概要 |
ノリ養殖において、あかぐされ菌の感染による“あかぐされ病”は、ノリの品質や収量を低下させる1つの大きな要因になっている。その対策として、酸処理などによる病原体を直接殺菌する方法がとられているが、労力やコストなどの問題点がある。本研究では、スサビノリゲノム情報を活用し、ノリの生体防御機構の構築において、最重要遺伝子候補として申請者らが発見したNPR1遺伝子の果たす役割について、分子レベルで明らかにすることを目的とする。本研究で得られる成果により、ノリの生体防御機構の理解が進み、今後、あかぐされ菌そのものを殺菌する防除方法から、病気に強いノリの作出に向けた新たな研究開発に展開できることが期待できる。
|
研究成果の概要 |
本研究では、ノリの生体防御機構を制御する最重要候補遺伝子として、近年申請者らが同定したスサビノリのNPR1様遺伝子に着目し、その遺伝子破壊株を作製することで、NPR1様遺伝子がどのようにして病原体に対するスサビノリの抵抗性獲得に関与しているのかについての解明を進めた。NPR1様遺伝子欠損株と対照株(ゲノム編集していない)に対して免疫賦活剤で刺激し、網羅的な遺伝子発現解析を行なった結果、NPR1様遺伝子欠損により、活性酸素種(ROS)産生のカスケード上にある遺伝子群の発現量が低下していた。したがって、スサビノリNPR1様遺伝子は、ROS産生による防御機構の誘導に関与していることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、スサビノリの病原体に対する防御には活性酸素種(ROS)産生が重要であることが示唆されたことから、その知見を活用したノリの耐病性品種の作出に向けた新規事業の創出に繋がることが期待できる。また、本研究により開発された、ゲノム編集により標的遺伝子破壊し、その表現型についてトランスクリプトーム解析を行い、分子ネットワークの推定を行うという手法を活用することで、スサビノリの様々な生理学的な研究を加速することが期待できる。
|