研究課題/領域番号 |
19K06233
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
|
研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
大迫 一史 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (00452045)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | かまぼこ / カタクチイワシ / 低未利用 / 有効利用 / タンパク質回収 / 低利用資源 / 魚肉ゲル |
研究開始時の研究の概要 |
平成31年度において、カタクチイワシからSalt water法で回収したタンパク質の諸性状について、他の方法で回収したタンパク質の諸性状と比較する。平成32年度ではタンパク質の機能性(ゲル形成能)を保持したまま、高収率でタンパク質を回収する方法を開発し、カタクチイワシタンパク質のかまぼこゲル形成特性を明らかにする。平成33年度では、カタクチイワシ筋肉中には高いプロテアーゼ活性が見込まれるため、プロテアーゼのタイプと、この活性を抑制するための天然由来インヒビターを検索し、高品質なかまぼこゲルを得るための製造法を開発する。
|
研究成果の概要 |
小型カタクチイワシをかまぼこ原料として利用することを目的に、タンパク質回収法の検討、回収タンパク質のゲル形成能、内在性プロテアーゼの検討を行った。タンパク質は塩水利用回収法で機能性を保持したまま回収可能であることが明らかとなった。主にセリン型のプロテアーゼが塩水利用回収タンパク質の脱水工程でタンパク質を分解することにより、カタクチイワシ肉のゲル形成を阻害することが示唆された。また、回収タンパク質のゲル形成能はセリンプロテアーゼを阻害することにより向上することがわかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
来たる食糧難の時代に備え、カタクチイワシを既存のスケトウダラなどの冷凍すり身原料と代替せしめることにより、特定魚種への漁獲強度の集中による資源量の低下を緩和できるものと考えた。研究の結果、小型のカタクチイワシからタンパク質のみを得る方法を開発した。また、このタンパク質はから、一般に出回っている蒲鉾よりは若干弾力が無いが、蒲鉾をつくることに成功した。一方で、セリンプロテアーゼがこの蒲鉾の弾力を弱めていることが明らかになり、これはセリンプロテアーゼインヒビターを加えることで解消できた。今後、天然物由来のプロテアーゼインヒビターを添加することで産業への実用化への目途がつくと考えられた。
|