研究課題/領域番号 |
19K06242
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
小林 徹 近畿大学, 農学部, 教授 (00298944)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 倍加半数体 / 染色体操作 / 雌性発生 / 卵割阻止 / 中心体 / 中心小体 / ホモ接合 / ホンモロコ / 二重高温処理 / 倍数性 / 半数体 / 雌性発生二倍体 / 魚類育種 / 系統量産 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、魚類養殖に新しい「クローン系統育種」を実現するため、「魚類の卵割阻止技術の向上」と、それによる「クローン作出素材」としての倍加半数体(完全ホモ型単性発生二倍体)の量産技術を確立する。すなわち、卵の遺伝子だけで発生させた雌性発生半数体胚の卵割を確実かつ高頻度に阻止して倍加半数体を得るための「複数回の高温刺激処理」の最適処理条件と細胞学的メカニズムを明らかにする。また、クローン系統作出の素材となる倍加半数体をできるだけ多く作出し、多くの素材からの選抜に基づく特徴あるクローン系統を用いた育種事業を水産分野に一気に展開する基盤とする。
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研究成果の概要 |
本研究は、魚類の養殖に「クローン系統育種」を実用化することを目的とする。「複数回の高温刺激処理」による分裂阻止効果を検討し、育種素材としての倍加半数体(完全ホモ型単性発生二倍体)の大量作出の実現を目指すものである。本研究では、主にホンモロコを材料に研究を進めた。本種の倍加半数体作出の諸条件は①精子の遺伝的不活性化のための照射UV量は20 mJ/cm2程度が有効、②卵割阻止のための1分間の処理温度は40.5℃が適正、③第一、第二の高温刺激処理のタイミングは20℃培養でそれぞれ受精後25分および40分、④雌性発生卵の倍数化には熱刺激1分間の2~3回の反復が有効であることがそれぞれわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本課題で検討している「熱ショック反復処理を利用した卵割阻止によるゲノム倍加効率の向上」は、純系育種素材の作出頻度を向上し、遅滞している水産分野での純系育種事業に選抜操作や系統間交配を加えた展開をもたらすと期待される。また、凍結保存精子の遺伝子のみで発生させた雄性発生体を生存性のある二倍体にすることにも応用できることから、希少魚種の保存や復元にも貢献できると期待される。すなわち、高温刺激の反復処理によって卵割阻止効率が向上すれば、絶滅に瀕している魚種を、その凍結保存精子と他の近縁種の卵を使用して希少種を雄性発生二倍体として復活させることにも応用できる。
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