研究課題/領域番号 |
19K06248
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41010:食料農業経済関連
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研究機関 | 京都大学 (2023) 東京農工大学 (2019-2022) |
研究代表者 |
一條 洋子 京都大学, 農学研究科, 研究員 (10726699)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 農村経済 / アフリカ / フードシステム / ネットワーク / 商慣行 / ブドウ / 半乾燥地域 / 商業的農業 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、タンザニアの貧困州におけるブドウの生産・加工・流通・消費のフードシステムの実態解明とその振興策について考察するものである。 現在タンザニアでは商業的農業を掲げているが、その実態や経済的影響に関する包括的研究蓄積は極めて少ない。とくに加工・流通・消費局面の実態を理解し、翻って生産地が受ける影響も明らかにし、今後の政策に総合的に反映させていくことが急務と考える。 本研究では、対象地域にとって重要商品作物であるブドウのフードシステムに注目し、フードシステム論とネットワーク論を援用しながら分析・考察することにより、研究対象地域、ひいては開発途上国における農業振興策に学術的知見を提供する。
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研究成果の概要 |
本研究は、タンザニアの半乾燥地域ドドマ州で高い経済性を期待されるブドウの生産と流通について、サプライチェーンを把握し、アクター間の利益構造・配分の実態を明らかにすることで、ブドウをめぐる課題と改善策の検討に寄与することを目的とした。 結果として、サプライチェーンの把握では先行研究に対して買手のバリエーションとアクターの同一性を新たに提示できた。またアクター間の利益構造の理解として商慣行に注目し、信用取引の多さと、これを可能にする農家の特徴、買手のなかのバリエーションの可能性等が示され、買手の資金調達の実態把握と状況改善がブドウの流通に関する課題解決に繋がると考察された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では未だ経済水準の低い事例地において、牽引役として期待されるブドウについて、サプライチェーンの多様性と複雑性を明らかにし、アクター間の商取引の実態、とくに農家と買手との信用取引について、その背景、構造的特徴、改善のためのキーポイントを明らかにしたうえで、買手の多様性理解の必要性についても指摘した。このことは、農業経済学・開発経済学において重要な農産物をめぐるフードシステムや農産物取引に関して、主要な理解と必ずしも同一ではない新たな考察結果を提供するだけでなく、商業的農業が推進される多くのアフリカ諸国の農業政策という実社会に対しても重要な知見を提供できるものと考える。
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