研究課題/領域番号 |
19K06266
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41010:食料農業経済関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
大西 千絵 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター, 上級研究員 (60466638)
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研究分担者 |
森嶋 輝也 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター, グループ長 (30391486)
加藤 弘祐 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 本部, 研究員 (70825322)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 価格プレミアム / ブランド / 自然生態系農業 / 有機農業 / 6次産業化 / 経済評価 / ブランド農産物 / ブランド化 / シミュレーター / 付加価値 |
研究開始時の研究の概要 |
6次産業化の取り組みの「どこで、どのくらい付加価値を生み出しているか」については、取り組みの当事者自身ですら把握していないケースがほとんどである。6次産業化を戦略的に展開していくためには、付加価値の源泉を数値化して把握する必要がある。そこで本研究では、6次産業化の付加価値分析手法である6次産業化シミュレーターLASTSと農産物ブランド評価手法を組み合わせ、6次産業化で生じるバリューチェーン由来とブランド力由来の付加価値を同時に分析できる新しい分析手法を開発する。そして、分析結果をもとに、連携型(農商工連携)と多角化型の戦略的6次産業化モデルを策定する。
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研究実績の概要 |
・宮崎県綾町にて、自然生態系農業によって生産された農産物のブランド化とその課題について調査した。同町の農家は約500軒、そのうち有機農業に近い生産をおこなっている農家は225軒、有機JAS認定を受けて生産している農家は11軒である。自然生態系農業認証において、農地と栽培管理の2面から評価している。具体的には農地管理では、土づくりで判定(A,B,C)するとともに、 生産管理では、消毒剤、化学肥料、化学農薬の使用程度で判定(A,B,C)している。これらを組み合わせ、農産物に「金」「銀」「銅」のラベル(認証)を付けて販売しているが、認証が価格プレミアムに反映されていないのが課題であることを明らかにした。 ・カナダ、バンクーバー市とケロウナ市にて、同地域の有機ブドウ生産とワイン加工について調査を実施するとともに、ブリティッシュコロンビア大学にて情報交換、研究打ち合わせを実施した。バンクーバーとケロウナが位置するブリティッシュコロンビア州では、独自のワイン法に基づき、Vintners Quality Alliance(V.Q.A.)認証制度を設けている。また、ケロウナの位置するオカナガン地方は有機ワイン製造が盛んである。ワイン用ブドウの有機栽培比率は、世界平均が3.6%であるのに対し、オカナガン地方では20%を超える。ケロウナでは大手ワイナリーがワイン用ブドウ圃場の有機転換を測っており、有機栽培比率は今後さらに上昇すると考えられる。有機化はオカナガンワインの差別化とイメージ向上、ブランド化に通じると考えられる。しかし現状では、慣行栽培のブドウを使って作られたワインと比較して、有機栽培のブドウで作られたワインの価格プレミアムは高いとは言えないことを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、本研究で必須な現地調査に大幅な遅れが生じた。2022年度末からようやく現地調査が可能になってきた。それに伴い、研究の全行程が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は追加の調査を実施するとともに、研究成果をまとめる予定である。
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