研究課題/領域番号 |
19K06269
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41020:農業社会構造関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
坂爪 浩史 北海道大学, 農学研究院, 教授 (80258665)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | エリア仕入れ / 直荷引き / 産地ファースト / 青果物 / スーパー / 卸売市場 / 農協系統 / 加工業務用 / カット野菜 / カットフルーツ / 6次産業化 / 事業継承 / 継承時の遠心力 / 農業の6次産業化 / カカオ流通 / ベトナム / 地産地消型学校給食 / 加工食品 / 加工業務用青果物 / 流通再編 / 川下企業 / 小売・外食企業 / 市場編制論 |
研究開始時の研究の概要 |
わが国の食生活において、生鮮食材を購入して調理して食べる機会が減り、既に調理された惣菜や弁当を購入したり、外食したりする機会が増えている。こうした食料消費の変化は青果物の産地にも大きな影響を及ぼしてきている。これら加工業務用の青果物については、加工業者と産地との間で契約栽培が普及する一方で、小売・外食企業(川下企業)においては移ろいやすい消費に適合させるため、頻繁なアイテム・メニュー変更が行われている。本研究はこの一見相矛盾する事態を解消し、円滑に青果物を流通させている中間業者を含めて分析し、加工業務用青果物流通の全体像と各業者・企業の役割分担の形成論理を明らかにしようとするものである。
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研究実績の概要 |
本年度は主に3つの課題にとり組んだ。 第1は、前年度から引き続いて、小売業再編とスーパーによる青果物調達システムについて、北海道内のスーパー業界の再編動向ならびに主要スーパー2社の青果物調達システムを分析した。スーパーによる卸売市場利用の縮小傾向は続いており、中でも札幌市中央卸売市場からの仕入率が劇的に落ちてきていること、卸売市場利用はスーパーのエリア仕入れ重視の中で、札幌市場も札幌エリアにおける仕入れ市場としての位置付けしかなくなってきていることによるものであった。 第2は、遠隔地卸売市場お動向とコロナ禍への対応という課題で、札幌市中央卸売市場の卸売業者、仲卸業者の動向を分析した。開設者である札幌市の方針もあって、卸売市場内における分業体制を堅持しようとしているものの、仲卸業者による直荷引きが大きく進展していることを明らかにした。コロナ禍の影響としては、業務用需要の縮小、スーパー販売の拡大が表裏の関係で進んでおり、卸売業者の段階では大きな影響はなく、仲卸業者についても、業務用に特化していた業者以外は大きな影響はなかったことを明らかにした。 第3は、遠隔青果物産地、農協系統組織における営農販売事業について、北海道の農協販売事業を統括するホクレンを事例に分析をおこなった。道内では青果物生産がこの間縮小傾向を続けており、ホクレンではその対策として、外見等を重視した生鮮青果物の北海道外(主に卸売市場)への移出に力点を置いてきたこれまでの販売戦略を抜本的に見直し、産地の生産力維持向上を最優先にする「産地ファースト」戦略をその中心に据えた。どう戦略の根幹は、省力化対応と加工業務用対応の強化であり、こうした戦略は、現在全国的に叫ばれているマーケットインとしての対応ではなく、むしろプロダクトアウト戦略であることを解明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響もあり、フィールドワークとしての現地調査、ヒアリング調査が困難な状況があり、研究がやや遅延することになった。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍の影響はほぼ無視しうるところまで、規制を含めて緩和されたので、あと1年で調査研究計画を完遂したい。
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