研究課題/領域番号 |
19K06291
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41030:地域環境工学および農村計画学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
猪迫 耕二 鳥取大学, 農学部, 教授 (60243383)
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研究分担者 |
野波 和好 鳥取大学, 農学部, 教授 (20704795)
齊藤 忠臣 鳥取大学, 農学部, 准教授 (70515824)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 除塩 / 塩類集積 / 乾燥地 / 農地修復 / リーチング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,申請者が開発した表層吸引溶脱法に基づく節水型除塩装置を圃場での使用に耐えうるようスケールアップするとともに,実際の圃場における複雑な塩類集積の様々な状況に適用可能な運転制御プロセスを開発することで,節水的な除塩システムを確立する. まず,土壌の水分塩分の挙動を解析できるシミュレーションモデルを用いて,スケールアップした装置の最適運転条件を探索し,設計諸元を決定する.ついで,可変圧力制御システムを開発して,装置の効率的な運転制御法を確立する.開発した装置を圃場に適用して性能評価を行い,実用的な節水型除塩方法を確立する.
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研究成果の概要 |
本研究では,実際の圃場への適用を念頭に表層吸引溶脱法を大型化した自走式除塩機の開発を試みた.まず,本法による除塩過程を数値モデルで再現し,最適な運転条件が存在することを数値実験で明らかにした.次いで,大型化した本システムを実装した自走式除塩作業機を,耕耘機を改造して製作した.本作業機には自動制御可能な操作盤を設置し,運転者が一人で除塩作業を完遂できるようにした.最後に,自走式除塩作業機を用いて透水性の異なる2種類の塩類集積土層を調整し,除塩実験を行った.その結果,低透水性土壌においては最大塩回収率65%が得られたが,バラツキが大きく,実用のためには更なる改善が必要であるとの結論に達した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
塩類集積が深刻化した農地を再生する除塩方法は現在存在しない.そのため,塩類集積が容易に深刻化する乾燥地域では,発生の初期段階において対処する必要がある.本研究では,発生初期の部分的な塩害農地を修復する能動的な方法として表層吸引溶脱装置を実装した自走式除塩作業機を開発した.本機による除塩法は塩類集積農地を抜本的に改善するものではないが,発生する度に逐次処理するという新しい対処法を提示したといえる.
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