研究課題/領域番号 |
19K06300
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41030:地域環境工学および農村計画学関連
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研究機関 | 香川高等専門学校 |
研究代表者 |
高橋 直己 香川高等専門学校, 建設環境工学科, 准教授 (70706580)
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研究分担者 |
中田 和義 岡山大学, 環境生命科学研究科, 准教授 (70431343)
金尾 滋史 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 主任学芸員 (70618321)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 環境保全 / 水田生態系 / 農業水路ネットワーク / 遡上阻害 / 魚道 / アユモドキ / 水生動物 / 生態系保全 / 局所流 |
研究開始時の研究の概要 |
アユモドキ(Parabotia curtus)は、産卵のために河川と水田地帯を回遊する習性を持つ希少淡水魚である。現在、圃場整備後の水路内に落差部や急勾配区間が存在することで、本種のような遊泳力の小さな小型水生動物の移動が困難になっている箇所は数多く存在する。圃場整備後の農業水路ネットワークの中で本種の生息環境を保全するには、産卵遡上に適する魚道整備により落差部等における移動阻害を解消することが重要である。本研究では、本種の移動特性と魚道内の水理、および生息地の水路における分布状況を複合的に検討し、産卵遡上に有効な魚道構造を明らかにすることで、本種の保全に有効な魚道システムを提案する。
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研究成果の概要 |
本研究では,希少淡水魚アユモドキ(Parabotia curtus)の保全に有効な魚道システムについて検討した.研究対象地では,30cm程度の比較的小さな落差と,200cm以上の落差が,対象種の移動断点として存在しており,それらの特性に合わせて2種類の可搬魚道システム(容易に持ち運び,移動断点に適用できる魚道システム)を開発した.飼育個体を用いた遡上実験にて,開発した可搬魚道を対象種が遡上可能であることを確認し,対象種遡上時における魚道内水深・流速特性を明らかにした.また落差200cm以上の現場にて,開発した可搬魚道を用いて,遡上実験にて対象種飼育個体が遡上した流況を再現することができた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アユモドキが利用可能な魚道構造について検討された事例は少なく,本研究にて開発した魚道を対象種が遡上した際の魚道内水深・流速特性を解明できたことは,対象種に関する保全技術の発展に寄与すると考えられる.また本研究で開発した低コストな可搬魚道システムは,専門知識・技術を持たない市民でも使用することができるため,国の天然記念物である本種の保全において河川・水路管理者と市民との連携を促進するツールとしての活用が期待される。
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