研究課題/領域番号 |
19K06321
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41040:農業環境工学および農業情報工学関連
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
長島 啓子 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (40582987)
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研究分担者 |
杜 偉薇 京都工芸繊維大学, 情報工学・人間科学系, 准教授 (00512790)
神代 圭輔 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (00548448)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 木口の断面画像 / 画像解析 / 年輪情報 / 動的ヤング率 / 原木の強度推定 / 強度等級 / 機械学習 / 特徴量 / 原木の見た目の材質 / 原木仕分けの自動化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,画像解析・機械学習により原木の画像から定量的に「見た目」の材質を把握し,「見た目」の材質と原木強度の関係から原木の「強度」推定を行う。林業振興策の一環として,需給マッチングによる国産材の利用促進が叫ばれているが,原木の「質」の情報共有は未だなされていない。これは「質」が「見た目」から経験的に把握されていること,原木取引で重要な「強度」の簡便な推定方法が確立されていないためである。画像解析・機械学習の応用により,原木の写真を撮影するだけで「見た目」の材質や「強度」の評価が可能になれば,原木仕分けの自動化に伴う生産性・収益性の向上,「質」に基づく原木価格の差別化と販路開拓が期待される。
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研究成果の概要 |
本研究は,画像解析及び機械学習により、(1) 「見た目」で経験的に把握されてきた材質の定量的把握、(2) 原木強度と「見た目」の材質との関係把握と原木強度の推定を目的としている。目的(1)では、木口画像から深層学習を用いて年輪情報を抽出する方法を確立し、屋内画像における有効性を示したが、屋外撮影画像の解析には課題が残された。目的(2)では年輪数が多いほど、平均年輪幅・中心から15年及び外側から15年の平均年輪幅は狭いほど強度が高くなる傾向が見られた。これらの年輪情報と強度等級グループとの関係を基に、強度グループ予測モデルを構築したところ、62.5%の適合率で強度の高い原木の抽出が可能となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で構築した強度推定モデルは年輪情報から強度等級が高い原木を6割の確率で推定できた。これは、強度が高い原木を 100 本購入したい場合、無作為では433 本購入するところ、予測モデルを使用すれば 160 本 の購入で済むこととなり、現在課題となっている適切な素材供給と効率的な素材確保が可能になることを示した。また、本研究のように年輪情報からの強度推定を試みた研究はこれまでになく、その有効性を示した本研究の学術的意義は大きい。画像解析による年輪情報の抽出には課題は残るが、今後の技術改良により画像を用いた強度推定による原木仕分けの自動化、生産性・収益性の向上に貢献すると期待される。
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