研究課題/領域番号 |
19K06332
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41050:環境農学関連
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
松井 宏之 宇都宮大学, 農学部, 教授 (30292577)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 脱窒 / 硝酸態窒素除去速度 / 添加有機物 / 温度依存性 / 硝酸態窒素除去係数 / 対流 / 室内実験 / 硝酸態窒素除去係数の温度依存性 / 水田模型 / 温度の周期的変化 / 光条件 / 藻類 / 光合成 / 水田の窒素浄化 / 硝酸態窒素 / モデリング / 水質浄化 / 移流 |
研究開始時の研究の概要 |
水田が有する窒素除去機能は,広く認められているものの,その除去量を推定・評価できる汎用的なモデルは開発されていない。そこで,除去量に影響を与える環境要因として,温度,水の対流,水平方向の流れ,有機炭素濃度を想定し,これらの環境要因が水田での窒素除去量に与える影響について検討し,除去量を算出できるモデルを提示する。
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研究成果の概要 |
水田における硝酸態窒素除去量の推定を可能とするモデル開発を目的として,まず田面水の浸透による湛水中の負荷量変化や水の蒸発に伴う濃縮を組み入れた硝酸態窒素濃度の濃度変化を表す式を導出した。次に,室内実験により脱窒菌の温度依存性を確認し,供試土壌中の脱窒菌は30℃前後で脱窒活性が最大となった。また,蒸発量を制御した室内実験を行った結果,蒸発量が多いと湛水中の対流が促進され,硝酸態窒素除去係数が大きくなることがわかった。さらに,水中に浮遊する微生物による硝酸態窒素除去と土壌表面に定着した藻類による硝酸態窒素除去を比較したところ,土壌表面に定着した藻類による除去の方が大きい可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水田における硝酸態窒素除去量については現地での観測結果が多く,モデル開発への期待があるものの,現象の把握が容易でないため,あまり進んでいない。本研究において導出した硝酸態窒素濃度の濃度変化を表す推定式は,田面水の浸透による湛水中の負荷量変化や水の蒸発に伴う濃縮を考慮しており,水田のみならず比較的水深の浅い流水中での予測にも援用することができる。次に,田面水の蒸発が湛水中の対流を生み,硝酸態窒素除去速度と蒸発量が比例関係にあることは新しい知見であると考えており,今後の研究への貢献が期待される。
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