研究課題/領域番号 |
19K06334
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41050:環境農学関連
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研究機関 | 茨城大学 (2021) 山梨大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
野田 悟子 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 教授 (80342830)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | シロアリ / 原生生物 / 共生 / 原生生物群集 / 木質分解 / 共生原生生物 / 群集構造 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、マイクロ流路チップ・セルソーターなどを用いて分離した生細胞の木質分解活性の測定法を開発し、各原生生物種がゲノム上に保有する木質分解酵素遺伝子と実際の木質分解との関連を明らかにする。これらの結果から、群集構造の安定した維持と高効率な木質分解を可能にする要因に迫る。同じ餌資源を利用する種間での競争が推定される場合と、酵素機能の違い等により競合がない場合とで原生生物種が安定的に共存して受け継がれる仕組みについて考察する。これらの知見から、シロアリ共生系による高効率な木質分解機構を理解する。
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研究成果の概要 |
食材性昆虫であるシロアリ自身は、木材を効率よく消化できず、腸内に共生する難培養性の原生生物群集が木材成分の分解に主要な働きを担っている。いくつかの組成の人工飼料でシロアリを飼育し、腸内の原生生物の組成がどのような挙動を示すのか検討したところ、エサの違いによりシロアリ1匹あたりの原生生物細胞数が増加する種と変化がない種が見られた。一方で、原生生物1細胞あたりの木質分解酵素遺伝子の発現量は、腸内原生生物群集全体の酵素活性と相関が見られなかった。また、原生生物の木質分解酵素遺伝子の構造予測を行ったところ、他生物の酵素と類似の立体構造が推定された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シロアリ自身は木材消化能力が低く、消化管に共生する原生生物が木質成分の分解に主要な役割を担っている。DNA 塩基配列の解析技術は近年飛躍的に進歩し、ゲノム解析が多くの生物を対象として行われている。しかし、非モデル生物では解析が不十分で、リファレンスデータとして利用できる情報も極端に少ないのが現状である。本研究の結果から、生物活性などの情報を整備することで、インベントリーに新たな情報を追記することが可能である。本研究は環境中の真核微生物の生態や生物間の共生がどのような機能的基盤によって成り立っているのかという研究にも波及効果を与えうる。
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