研究課題/領域番号 |
19K06335
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41050:環境農学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
南雲 俊之 静岡大学, 農学部, 准教授 (70362184)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 茶園 / 土壌炭素貯留 / 整枝・せん枝残渣 / 分解 / 茶園土壌 / 炭素貯留 / リターバッグ法 / 土壌動物 / 軽比重画分 / 二酸化炭素吸収源 / 粗大有機物 |
研究開始時の研究の概要 |
茶園はこれまで,硝酸汚染や温室効果ガスN2O発生など環境負荷の元凶のごとくみなされてきた。しかし,研究代表者が既存のデータを使ったモデルで証明したように,森林に匹敵する二酸化炭素吸収源でもあり,環境負荷を軽減している側面もある。茶園土壌中には腐植物質や粗大・微細有機物片として多量の土壌有機物が貯留されている。本研究は,この炭素貯留に関わる有機物動態と,それを規定する茶園固有の土壌因子を解明する。
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研究成果の概要 |
二酸化炭素吸収源である茶園で,主要な炭素貯留の場である土壌炭素の動態を研究した。その結果,地質・気象条件が同じ隣接する雑木林や畑・果樹園などと比較して、茶園は土壌の炭素含有率が高く,炭素貯留量も多かった。茶園土壌は酸性シュウ酸塩で溶解・抽出される結晶性の低い鉱物が多く,これが土壌有機物と有機・無機複合体を形成して安定化している可能性がある。一方,茶園で刈り落とされる整枝残渣は多く,とくに葉は土壌動物の力も借りて速やかに細片化され,土壌炭素の供給源の1つとなっていると推察された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
茶園は硝酸汚染源であり,温室効果ガスであるN2O排出源の主要な排出源である。一方,研究代表者である南雲は,炭素収支に注目するとN2O排出を加味しても正味CO2吸収源として働いている可能性を示した。ただし,茶園での炭素動態はほとんど未解明のままであった。茶園は,森林の落葉落枝に相当する人工的リターと言える整枝せん枝残渣に加え,通常の農地と同様に敷き藁や堆肥・有機肥料も施用されるため有機物投入が極めて多い,一方その土壌は多用される窒素肥料の硝化によって強酸性を示すという特殊環境である。本研究の成果は,この茶園環境下での炭素貯留メカニズムの解明を試みた。
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