研究課題/領域番号 |
19K06337
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41050:環境農学関連
|
研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
戸敷 浩介 宮崎大学, 地域資源創成学部, 教授 (00542424)
|
研究分担者 |
長命 洋佑 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 准教授 (10635965)
内藤 博敬 静岡県立農林環境専門職大学, 生産環境経営学部, 准教授 (30254262)
劉 庭秀 東北大学, 国際文化研究科, 教授 (70323087)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 鉛汚染 / 遊牧 / モンゴル国 / 重金属汚染 / 乳製品 / 簡易調査手法 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,人口と経済成長が集中するモンゴル国の首都ウランバートル市では,工業施設や道路などが都市部から郊外に広がりつつある。一方で都市郊外の草原では遊牧民が増加し,家畜に対する鉛の曝露が深刻化している。本研究では,都市化が進むモンゴル国の都市部周辺の畜産業,及び畜産食品に対する鉛汚染の広がりを推定し,畜産食品流通量,住民の食事量等を含め,畜産食品由来の鉛のリスク管理のための基礎データを明らかにする。また,血中鉛の簡易測定器の生乳への有用性を明らかにし,コスト等に制限がある開発途上国が自ら汚染を把握し防止するため,本研究の調査手法や蓄積する基礎データ等をまとめて,低コストの簡易調査手法を確立する。
|
研究実績の概要 |
本研究は、モンゴル国の都市化・工業化により、一部の地域の土壌や家畜の血液から高濃度の鉛が検出されたことを受けて、遊牧携帯の畜産業で生産されるミルクや乳製品に対する鉛の含有量について調査し、畜産製品を通した鉛のリスクについて現状を調べることと、モンゴル国における畜産食品の鉛のリスクに関する簡易調査手法について検討するものであった。しかし、2020年から続いた新型コロナウイルス感染症の世界的な流行を受けて、2020年および2021年はモンゴル国への渡航が困難となり、2022年夏にようやく渡航をすることができた。 2022年夏の調査では、以前鉛が検出された地域で家畜を飼っていた畜産農家が、その地域を離れていたため、乳製品等のサンプリングはできなくなった。また、モンゴル国立大学の研究協力者にヒアリングしたところ、複数の鉛バッテリーリサイクル施設が他にも政府から認可を受けたこと、そのうちの一つが稼働し始めていることなどがわかった。そこで、新たな施設の周辺を含むいくつかの地域の土壌を採取し、帰国後にまずは蛍光エックス線分析を用いて重金属濃度を測定した。その結果、以前施設があった地域では現在も土壌中鉛濃度が高いこと、新たな施設の周辺でも同様に土壌中鉛濃度が高いことがわかった。新たな施設の周辺でも、遊牧家畜が多数確認されており、鉛に暴露している可能性がある。 最後に、共同研究者およびモンゴル国の研究協力者と相談の上、更に一年、研究期間を延長し、もう一度モンゴル国内で現状について調査を行うことにした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度は3年ぶりに渡航が可能となり、現地で調査を行うことができた。ただし、この3年の間にモンゴル国における鉛バッテリーリサイクルの状況や、研究に協力して頂いていた畜産農家の状況が大きく変化しており、当初予定していた家畜や乳製品の調査は難しくなっていた。
|
今後の研究の推進方策 |
今後の研究の方向性としては、まずモンゴル国における鉛バッテリーリサイクルにおける現状を確認することと、施設周辺土壌中の鉛濃度を指標として、近隣の遊牧家畜の生体試料や乳製品から鉛が検出されるか検討したい。
|