研究課題/領域番号 |
19K06340
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41050:環境農学関連
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
伊藤 貴文 福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (10402827)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | alginate / alginate lyase / chitin / chitin binding protein / glucanase / Paenibacillus / chitobiose-binding / histidine kinase sensor / two-component system / sugar binding protein / Chitin / beta-glucosidase / キチン / Paenibacillus属細菌 / 糖質輸送タンパク質 / 糖質関連酵素 / 機能性オリゴ糖 |
研究開始時の研究の概要 |
キチンは自然界に豊富に存在し、多様な機能性が認められている。しかし、キチンは非常に難分解性であるため、利用は限定的である。これまで、土壌よりキチン分解に優れたPaenibacillus 属細菌を見出してきた。本研究では、細菌による多糖分解を制御することを目指して、(1) キチンオリゴ糖の細胞内への取り込みに関与するタンパク質の機能を解析するとともに、(2) それらのタンパク質の発現を制御する機構を解析する。また、(3) オリゴ糖を高純度に生産する酵素の反応特異性の解析も行う。そして、これらの研究を基盤として、キチンのみならず未利用資源となっている多糖の利用拡大に資する。
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研究成果の概要 |
本研究で次の成果を得た。(1) キチンオリゴ糖分解酵素の解析: P. FPU-7株がGlcNAcaseによりキチンオリゴ糖を単糖にまで分解することを決定した。(2) アルギン酸リアーゼの解析: P. FPU-7株のアルギン酸リアーゼの諸性質を決定した。アルギン酸オリゴ糖はイネ及びコマツナ根の伸長を促進した。(3) キチンオリゴ糖結合タンパク質の解析: キチンオリゴ糖結合タンパク質の糖認識機構を決定した。(4) 二成分制御系タンパク質の解析: 二成分制御系タンパク質NagSと糖質との相互作用を解析したところ、NagSがキチンオリゴ糖結合タンパク質を介して、キチンに応答することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
土壌細菌Paeibacillus sp. str. FPU-7は、カニ殻由来の固体状のキチンをも強力に分解する。P. FPU-7のキチン分解を制御し、有用なキチンオリゴ糖を効率的に生産するためには、分解されたキチンがどのように取り込まれ、どのように利用されているのかも明らかにする必要がある。今回、P. FPU-7が細胞表層でどのようにキチンを認識しているのかについて、その一端を明らかにした。また、取り込んだオリゴ糖を分解する酵素やアルギン酸分解酵素についてもその諸性質と立体構造を決定した。これらの成果は、より効率的で環境負荷の少ない酵素による多糖分解法の確立に繋がることが期待される。
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