研究課題/領域番号 |
19K06349
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
上本 吉伸 東北大学, 農学研究科, 准教授 (50606837)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 腸内細菌叢 / 遺伝率 / ホストジェネティクス / ブタ / 遺伝相関 / 遺伝的パラメーター / デュロック種 / 飼料利用性 / 育種価予測 / 飼料要求率 |
研究開始時の研究の概要 |
飼料要求率などの有用形質の表現型は、遺伝的な要因である育種価と飼料条件などの環境要因による影響を受けている。有用形質の育種改良を行う場合、育種価を正確に予測し、育種価の高い個体を選抜することで改良速度を高めることができる。そのため、高い精度の育種価予測法の開発は重要な課題である。近年、ブタの肥育後期における腸内細菌叢は個体ごとに安定しており、細菌叢の個体間差は宿主の遺伝的背景の違いによって生じ、表現型に重要な役割を果たしていることが明らかになった。そこで、本研究では、ブタにおける飼料要求率の改良速度を高めるため、腸内細菌叢の情報を育種価の予測モデルに組み込んだ新たな手法を開発する。
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研究成果の概要 |
本研究では、ブタ純粋種集団を対象に、飼料要求率の遺伝的影響について調査した結果、飼料要求率の遺伝率は中程度であり、育種改良が可能であることが示唆された。次に、腸内細菌叢と飼料要求率との関係を調査した結果、各個体の腸内細菌叢の多様性が高いほど飼料要求率は低くなることが示唆された。さらに、腸内細菌叢の多様性に及ぼす遺伝的影響について調査した結果、中程度の遺伝率が推定され、腸内細菌叢の多様性は遺伝的な影響を受けることが示唆された。これらの結果から、飼料要求率の育種改良を行うときに、個体間の腸内細菌叢の違いを新たな情報として活用することで、より効果的な育種改良が可能であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ブタにおいて、一部の腸内細菌叢の個体間差が宿主の遺伝的背景の違いによって生じ、表現型に重要な役割を果たしていることが報告されている。本研究は、このような個体間の腸内細菌叢の違いの遺伝的背景を明らかにすることで、育種改良に応用する初の試みであり、これまでのブタの育種手法を大きく変える可能性を秘めている。また、本研究で用いる対象集団は実際に育種改良を行っている集団であり、本研究で構築した育種手法を実際の育種改良集団に直接還元できる可能性が高い。
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