研究課題/領域番号 |
19K06353
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
上曽山 博 神戸大学, 農学研究科, 教授 (90263889)
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研究分担者 |
實安 隆興 神戸大学, 農学研究科, 助教 (20721236)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 食欲調節 / Smad / GLP-1 / GLP-2 / PYY / ニワトリ / 視床下部 / 延髄 / Erk / p38MAPK / 中枢 / シグナル伝達 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、ブロイラーでは過食に起因する脂肪の過剰蓄積が問題となっており,その食欲を制御する方法の開発が望まれているため、ニワトリの食欲調節機構の全容を解明し、ブロイラーの過食の原因を特定することが重要である。本研究では、哺乳類においても未だ食欲調節への関与が不明の因子にも着目し、ニワトリの食欲調節における中枢の細胞内シグナル伝達因子の役割と、ブロイラーとレイヤーにおけるその役割の違いを調べる。具体的には、種々の給餌条件や、食後に分泌される種々のペプチドホルモンが中枢の細胞内シグナル 伝達因子に及ぼす影響、及び中枢のシグナル伝達因子が食欲調節遺伝子の発現調節に及ぼす影響について、両者で比較検討する。
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研究成果の概要 |
本研究により、ニワトリ中枢におけるSmadシグナリングの上向き調節は摂食を抑制するが、その上向き調節は生理的には生じない可能性が示された。また、レイヤー(卵用鶏)では、延髄のAkt、及びERKシグナリングの上向きは摂食を抑制し、その上向き調節にインスリンが関与していることが示唆されたが、ブロイラー(肉用鶏)では、延髄のERKは摂食調節に関与しておらず、Akt、及びp38MAPKが摂食調節に関与している可能性が示された。また、末梢のコレシストキニン、グルカゴン様ペプチド(GLP)-1、及びGLP-2の摂食抑制に、延髄のAkt、及びERKは関与していない可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により明らかになったブロイラーとレイヤーにおける違いは、ニワトリの摂食調節機構の全容解明に貢献し得ると共に、ブロイラーにおける食欲制御方法の開発の基礎にもなり得る。また、ブロイラー延髄のp38MAPKが摂食調節に関与している可能性が本研究で示されたが、このような報告は哺乳類の研究においても未だないことから、本研究の成果はニワトリだけでなく哺乳類の摂食調節に関する研究の伸展にも貢献し得る。
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