研究課題/領域番号 |
19K06365
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
手塚 雅文 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (40311526)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 副腎皮質ホルモン / 卵巣機能 / 卵子形成 / 黄体化 / 卵母細胞 / 初期胚 / 糖質コルチコイド / 鉱質コルチコイド / 卵巣生理 |
研究開始時の研究の概要 |
副腎皮質で合成される糖質コルチコイドと鉱質コルチコイドは生体の恒常性維持に必要不可欠なステロイドホルモンである。卵巣はこれらのステロイドに常時さらされているが、卵巣に対する副腎皮質ホルモンの直接的作用についての知見は極めて少ない。本研究ではウシをモデルに卵子の形成、受精、胚発生において副腎皮質ホルモンが果たす生理的役割とその作用機序の解明を目指す。また得られた知見を体外胚の生産に反映させることで、家畜の生産性向上を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では副腎皮質ホルモン作用調節機構のウシ卵巣での存在と、それが卵巣機能や卵子形成、初期胚の発生に与える影響について調べた。その結果、1)卵巣組織や卵子は副腎皮質由来の糖質/鉱質コルチコイドに常時晒されているだけではなく、局所でそれらの濃度を調節するメカニズムを備えていること、2)これらの組織や細胞は糖質/鉱質コルチコイド受容体を発現しており、副腎皮質ホルモンがそれらを介して黄体化や卵母細胞の成熟に関与していること、3)卵巣組織には副腎皮質ホルモンと性ステロイドがクロストークする複雑かつ合目的的な作用調節機構が存在することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
過去に多くの研究が積み重ねられてきた性ステロイドホルモンとは違い、副腎皮質ホルモンの生殖生理への関与についてはほとんど明らかにされていない。本研究では恒常性の維持に関与している副腎皮質ホルモンが、周期的な生殖のリズムを生み出す性ステロイドとクロストークしながら卵巣機能調節に関与していることや、卵形成に関与している可能性を示唆した。これらの知見は今まで別々に扱われてきた生殖と生存のためのシステムを結びつけ、生理学に新しい見識を加えると共に、例えばストレス性の不妊などに対処する生殖医療のために必要となる基礎知識を提供すると考える。
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