研究課題/領域番号 |
19K06367
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
塚原 直樹 宇都宮大学, バイオサイエンス教育研究センター, 特任助教 (00712704)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | カラス / ディストレスコール / 鳴き声 / 鳴き真似 / playback実験 / 種差 / 地域差 / 季節性 / ソナグラム / 忌避 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、「カラスがディストレスコールのどの音響的特徴を忌避するか?」を明らかにする。動物の声帯模写を得意とする演芸家の協力を得た鳴き真似などにより、ディストレスコールの音響的特徴を変化させた音声を用意し、カラスに聞かせ、忌避行動が誘発された音声とそれ以外を比較することで、忌避行動の誘発に重要な音響的特徴を炙り出す。本研究は、知能が高いとされるカラスの認知能力や、音声コミュニケーションに関する種を超えた普遍性に迫り、動物心理、行動生態、行動進化に関わる学術的価値の高い発見につながることが期待できる。また、カラス被害を防ぐ方策の開発に繋がり、応用研究と直結する社会的意義の高い研究課題である。
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研究成果の概要 |
本研究では、カラスの忌避行動を誘発する音声やその音響的特徴を変化させた音声を用意し、忌避行動が誘発された音声とそれ以外を比較することで、忌避行動の誘発に重要な音響的特徴を炙り出すことを目指した。 その結果、周波数成分の基本的な構成を維持すれば、音の高さや長さなどある程度特徴を変化させても忌避行動を誘発できることがわかった。また、異なる音声を連続して再生する場合、最初に音響的特徴の変化が小さい音声を再生し、忌避行動を誘発後、音響的特徴の変化が大きい音声を再生しても忌避行動が維持されることがわかった。さらに、音響的特徴を大きく変化させた音声に対してはすぐに慣れが生じることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、カラスの音声コミュニケーションの理解が進んだ。特に警戒時の行動の特徴やその種差、個体差、季節性などが明らかとなり、鳥類学の進展に寄与する学術的意義の高い知見が得られた。 また、本研究の成果は、カラスによる農作物被害や市街地の糞害など、様々な被害現場での活用が期待され、社会的意義も高い。実際にカラスによるごみ荒らし被害現場において実証試験を行ったところ、ある忌避音声を再生し、2箇月程度で慣れを確認した後、同じ忌避音声の周波数を変化させた音声を再生したところ、慣れの解消を確認し、また2箇月程度忌避効果を確認し、被害を軽減できた。
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