研究課題/領域番号 |
19K06377
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
磯田 典和 北海道大学, 獣医学研究院, 准教授 (80615732)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 牛ウイルス性下痢 / 獣医疫学 / 疾病モデル / リスク評価 / 牛ウイルス性下痢症 |
研究開始時の研究の概要 |
牛ウイルス性下痢症(BVD)対策の基本は持続感染牛の早期摘発淘汰であるが、公共牧場の使用や市場取引を含む複雑な動物移動およびワクチン接種政策という日本特有の課題が本疾病の国内での制御を難しくさせており、また、これら課題がBVD拡大およびその対策に与える影響に関する包括的な報告は無い。そこで申請者は、動物移動およびワクチン接種が日本におけるBVD拡大およびその対策に与える影響を調べるために、1)動物の導入に起因する農場内BVDリスクの定量、2)動物導入元の種類がBVDリスクに与える影響、および3)導入先農場のワクチン接種率が動物移動によるBVDリスク軽減に与える影響、の3点について明らかにする。
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研究成果の概要 |
日本特有の牛ウイルス性下痢(BVD)の伝播解明のために、ウイルス学的および疫学的調査を行った。地域におけるBVDの発生と病原性ウイルス遺伝子型を調べたところ、特定の遺伝子型のウイルスは動物の移動を介し、市場など多数の動物が接触する場を経由していることがわかった。またネットワーク解析により、BVDのリスクは動物移動の頻度に相関があることが予想された。血清疫学調査による肉用牛の月齢別抗体陽性率から、調査対象農家のBVDウイルス伝播速度を算出し、基本再生産数の推定を試みた。さらにワクチン非接種地域におけるBVDに関する疫学調査を行ったが、ワクチン接種や移動に伴う有意なリスク要因は見当たらなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本におけるBVD対策の基本はワクチン接種であるが、BVDの制圧までには至っていない。そのリスク要因と思われる動物の移動に伴うBVD拡大についてウイルス学的および疫学的見地から関連性を示したことは、本邦における今後のBVD対策に大きく貢献を与える。BVDの拡大には持続感染牛が重要視されてきたが、欧米などでは一過性感染によるBVDの拡大リスクも懸念されている。野外調査でBVDの一過性感染の動態を調査するのが非常に困難なため、血清検査の結果を用いて一過性感染の動態の推定を行った。限られたデータによる結果のため、引き続き精査が必要かと思われる。
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