研究課題/領域番号 |
19K06385
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
矢吹 映 鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 教授 (10315400)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 糸球体疾患 / 犬 / 上皮間葉転換 / 筋線維芽細胞 / 猫 / 糸球体腎炎 / 腎生検 / 伴侶動物 / 腎臓 / 内皮間葉転換 |
研究開始時の研究の概要 |
「上皮・内皮/間葉転換」、すなわち上皮細胞や内皮細胞の間葉細胞への形質転換は胚発生や組織修復に重要な機構であるが、近年、腎疾患の進行に深く関わる新規の治療ターゲットとして注目されている。しかし、犬と猫の難治性腎疾患である糸球体疾患では研究が進んでいない。本研究では、犬と猫の糸球体疾患で起こる上皮・内皮/間葉転換の機構を解明し、さらには本疾患の進行、予後および治療効果を予測するバイオマーカーの開発に挑む。これにより、難治性疾患である糸球体疾患の獣医学領域におけるブレイクスルーを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、犬と猫の糸球体疾患における上皮間葉転換について検索を行った。糸球体疾患を発症したのは殆どが犬であった。腎生検により糸球体疾患が診断された犬の腎臓について免疫組織化学的解析を行った結果、犬の糸球体疾患では、その病型にかかわらず上皮間葉転換の発現および筋線維芽細胞の出現を認めることが明らかになり、筋線維芽細胞が出現するメカニズムとして上皮間葉転換が起こることが犬の糸球体疾患でも証明された。一方、上皮間葉転換以外のメカニズムでも筋線維芽細胞が出現することも示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糸球体疾患は難治性かつ進行性の腎疾患である。本疾患は人だけでなく犬や猫にも発生し、特に犬で多く発生する。犬や猫では、糸球体疾患の根本的な治療は難しく、本疾患に罹患した動物の飼い主の心的および経済的負担は非常に大きい。本疾患の予防および治療に有効的な方法を見出すには、その病理学的な進行機序を明らかにする必要がある。本研究の成果は、その機序の一つである上皮間葉転換について明らかにしたものとして学術的および社会的な意義を有している。
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